先頃、日本でも発表されたフェイスリフト版ミニ・カントリーマン(日本名:クロスオーバー)での注目は、PHEVの追加設定。現地でBEVはすでに存在していたものの、現時点でのインフラを考えると、ミニの電化はPHEVの方が優勢といえそう。というか、その成功は間違いない!?
初のPHEVがミニの人気を加速させる!?
ドイツ運輸省が発表した9月の新車登録を見るとPHEVの伸びは驚異的で、前年同月比で463%増の2万127台と、市場シェアは7.8%に達している。BEVと比べて航続距離や充電時間の不安が少なく、その上、欧州では購入に際して補助金が給付されるのが大きな理由といえる。その結果、多くのブランドがPHEVへの進出に積極的で、このクーパーSEカントリーマン・オール4も、フェイスリフトを機にミニがリリースしてきた初のPHEVだ。
駆動系のレイアウトは先行したBMW2シリーズ・アクティブツアラーと同じで、フロントに125ps(92kW)と220Nmを発生する1.5L 3気筒エンジン+6速AT、リアには70kW(95ps)と165Nmを発生する電気モーターを搭載。システム統合出力は220ps(162kW)/385Nmで、全長4.3m、全幅1.82m、全高1.56mのクロスオーバーSUVに0→100km/h加速6.8秒、最高速度196km/hのダイナミック性能をもたらす。ちなみに、10kWhのバッテリーによるEV走行では最高速度135km/h、最大航続距離61km。燃費は100km走行あたり2~1.7L(日本仕様は14.8km/L)、CO2排出量は45~40g/kmとなる。
始動すると、まずはエンジンとモーターのコンビネーションがとても好印象で、どちらかが出しゃばることなく、必要な時に必要なだけのパワーとトルクを提供してくれる。ブレーキも、回生とハイドロリックの協調が非常にクリアで、違和感はない。
カントリーマン(クロスオーバー)はミニの3分の1を占める人気モデルだけに、BEVではなくPHEVというステップを踏んだのは正解だろう。トールボディのおかげでモーターとバッテリーをリアの床下に収納でき、荷室容量など実用性を損わなかった点も有利に働くはずだ。
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