2005年から2019年にかけてのデザイン研究をまとめた「PorcheUnseen(ポルシェ・アンシーン)」
ポルシェはこのほど、2005年から2019年にかけてのポルシェ車のデザイン研究を328ページにまとめた本、「PorschUnseen(ポルシェ・アンシーン)」の発売をきっかけに2015年から2017年にかけてル・マン24時間レースで3連覇したLPM1カー「919ハイブリッド」のストリート版である「919ストリート」を含む複数の車両を初公開した。
このたびの発表に際してポルシェAGのオリバー・ブルーメ取締役会会長は次のように述べている。
「世界中の人々が、私たちのスポーツカーの時代を超越した革新的なデザインを愛しています。先見の明があるコンセプト研究は成功の基盤です。それらはこれからのポルシェデザインにおけるアイデアの蓄積となり、私たちの強力な伝統と先駆的な未来のテクノロジーを組み合わせています」
「PorschUnseen」に収録されているモデルをピックアップしてみよう。
●ポルシェ919ストリート
先述したように919ハイブリッドの公道版。919ハイブリッドに採用された技術に基づいて開発され、アマチュアドライバーがLMP1レースカーのドライブを体験することができるように仕立てられている。ボディサイズやホイールベースは919ハイブリッドと同じで、カーボンモノコックシャシーに900psを発揮するハイブリッドパワートレインが組み合わされている。
●ポルシェ・ビジョンスパイダー
質素で洗練されたコックピット、ミッドシップマウントされたエンジン上部の特徴的なラジエターグリル、レッドのグラフィックエレメント、リヤのフィンなどが特徴的なビジョンスパイダーは、1954年製のポルシェ550-1500RSスパイダーを明確に想起させるコンパクトモデル。この研究ではポルシェのデザインアイデンティティをさらに発展させることが目的となっており、超近代的なロールバーなどは将来のためのアイディアとなっている。
●ポルシェ・ビジョン・レディエンスト
最大6名が乗れるファミリー向けのコンセプト。スタイルは、エキサイティングなプロポーションを持つ未来的な「スペースシャトル」をイメージ。この研究は、ポルシェのデザインDNAを未知のセグメントに活用させた代表例だ。キャビンはモジュール式となっており、運転席は中央に配置。EVパワートレイン、そしてポルシェのセンスを組み合わせることによって乗員は予想外に寛大な空間と旅行体験を楽しむことができる。
このたび初公開されたこれらのモデルは、2021年にポルシェ・ミュージアムで開催する展示イベントで一般に公開される。なお、ポルシェ・ミュージアム・ショップではこれらのモデルが収録された本 「PorcheUnseen」の購入が可能だ。