【2020年秋、ドイツ車トップ10!】「第6位・AUDI A6」ワゴン至上、最高の心地よさ

異様なまでの動的質感の高さ

ひと昔前のアウディのイメージは、操縦安定性は抜群に高いけれど、それと引き換えに乗り心地がややゴツゴツとしていたり、スポーティを強調するためなのかアクセル操作に対して望んだ以上に加速する素振りを見せたりしていたが、2018年発売のA8でははっきりと変貌した。とてつもなく快適で、ドライバビリティは最上の部類。これはフラッグシップだから特別に気合いが入っていたのかと思いきや、翌年に登場したA6も同じ傾向だったのが嬉しい。

インパネ中央には高解像度8.3インチカラーディスプレイを搭載。ステアリングのギアレシオが可変制御されるダイナミックステアリングに4輪操舵のオールホイールステアリングを組み合わせることで、取り回し性のみならず、軽やかなハンドリング性能を実現。

エアサスのA8に対して金属スプリング+可変ダンパーのA6だが、大径タイヤを履いてもまったくゴツゴツ感がなく、あらゆる速度域でイヤな硬さを感じさせない。それでいて入力は素早く収束させる。快適で安定感にも優れる理想的なシャシーだ。コーナーでは、ステアリングを切ったら切っただけ素直に曲がっていく。
特筆すべきはドライブトレインやサスペンションなど、動く部分のフリクションがとにかく低く抑えられていて、動的質感が異様なまでに高いことだ。
静粛性もハイレベルで音量が低いうえに、耳につきやすい周波数は徹底的に抑え込まれていて、ガラス越しにみる外が別世界に思える。いまのアウディは、機械としてこれ以上ないほど優秀なのだ。

石井昌道/M.Ishii

フォト=神村 聖/S.Kamimura ルボラン2020年11月号より転載

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