アナログ的でありながらしっかりと上質感で楽しい
変わらないために変わるというモデルチェンジ(ただし型式名称はW463で変わらず)を選んだGクラス。車台周りでは刷新されたラダーフレームもさておき、フロントサスの独立懸架化やラック&ピニオンの採用によって、オンロードでの扱いやすさは格段に向上。街中でも高速道路でも、限りなく普通のクルマと同じ感覚で日常を賄えるようになった。
オフロードでの走破性は電子制御によるアシストを慎重に吟味して加えつつ、ヘビーデューティユースには必須の副変速機や、Gクラスにとっての「型」ともいえる3つのデフロックを任意選択する機能を活かしている。例えばGLEクラスは可動域の大きなエアサスやEアクティブボディコントロールを筆頭とした最新の電子デバイスで、このクルマに比肩するほどのオフロード性能を得ているかもしれない。でも、Gクラスはあえて前型と同様の仕様として、アナログ的なドライビングプレジャーを確信的に継承している。
グレード的にはシャシー周りの柔軟性が高まったこともあってG63級の動力性能でも受け止められているが、燃費やトルクバンドの広さのみならず、直6化で上質感をも高めたディーゼルのG350dが白眉。巷ではプレミアが乗るほどタマ不足なのが難ではある。
渡辺敏史/T.Watanabe
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