新たに「メルセデス・ベンツ・ドライブシステムズ」を設立。電動化の時代に備える
ダイムラー・グループの乗用車部門であるメルセデス・ベンツ・カーズがパワートレイン部門を集約。「メルセデス・ベンツ・ドライブシステムズ」と名付けられた新部門を7月にスタートさせている。近年のメルセデス・ベンツの駆動システムの進化に関してはここで語るまでもないが、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンに加えて燃料電池システム、ハイブリッドシステム、48V電動システムなど常にテクノロジー面で世界をリードしてきた。単なるパワートレインの進化にとどまらず、卓越したドライバビリティを実現させてきたことは多くの人が認めるところだろう。
新組織「メルセデス・ベンツ・ドライブシステムズ」は、メルセデス・ベンツ内のユニットという位置づけとなり、パワートレインの開発はもちろん、生産、品質管理、生産計画、物流と調達、関連する部門との横断的機能などを持つ形となる。担当分野はエンジン、トランスミッション、電気駆動装置、バッテリー、それらに関連するハードウェアとソフトウェアと多岐におよんでおり、ひとつの屋根の下で他の分野と連携しながら業務を進めていくことになるという。
パワートレイン生産の責任者であり、ウンターテュルクハイム工場の責任者も務めるフランク・ダイス氏がこの新組織のチェアマンに就き、ユニットとして統合された組織の舵取りを任されることになり、組織の人数など規模は明らかにされていないが、メルセデス・ベンツ内の重要な実働部門となる可能性は高い。メルセデス・ベンツは今年の年末までにピュアEVを5車種、PHVを20車種投入する考えで、こうした電動化の推進においてもメルセデス・ベンツ・ドライブシステムズが重要な役割を果たすことになる。
メルセデス・ベンツを擁するダイムラー・グループは2019年は減益、2020年上半期は新型コロナウイルスの影響もあって赤字を計上するなど厳しい状況にあるが、回復を図るなかでこの新組織がどういった役割を果たし、結果を出していくのか興味深いところ。コスト削減の効果も期待されるメルセデス・ベンツ・ドライブシステムズの動きに注目したい。
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