車検証をICカード化。整備情報などのデータを詳細に記録するとともにオンライン申請も可能に
以前から国土交通省が中心となって検討されてきた「車検証の電子化」がやっと現実のものとなりそうだ。車検証(自動車検査証)をICカード化し、その内容をICチップに記録するとともに、継続検査時もいちいち運輸局に足を運ばなくても手続きがオンラインで完了できるようにしていくもので、実現すれば整備工場などの手間が大幅に省けることになる。今回、それを検討してきた有識者会議の報告書がとりまとめられ、2023年1月の導入を目指して準備が進められることになった。
現在、A4サイズの車検証に掲載されている情報は多くないので、ICチップに入れても多くの記憶領域が余ってしまう。そのため電子化に当たっては車両のグレードやボディカラー、車台番号の打刻位置などに加えて整備情報なども書き加えるとしており、点検整備履歴のチェックや買い取り査定にも生かせる情報源となる。さらにディーラーやガソリンスタンドのポイント情報なども入れられるようにして、クルマのIDカードとしての役割を持たせていく考えだ。
クルマのオーナーにとって利便性がどこまで高まるかは未知数だが、さまざまな情報が1枚のカードに集約されれば、手間が減る場合もあるだろう。個人情報に加えて公的要素も持つカードとなるだけに高度なセキュリティの確立が絶対条件となることは言うまでもないが、どんな形で実現させてくるのか、しっかり見ていく必要がありそうだ。
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