セダン、エステート、SUVの人気モデルが揃い踏み。ボルボ60シリーズのベストチョイスは?

COLUMN/いま、ボルボが売れている3つの理由。

日本国内では、交通事情からXC40をはじめとする40シリーズの人気も高いが、世界的にはXC60がもっとも売れているボルボ車だ。そのボルボ人気を考察すると、3つの理由が見えてきた。

●かつてのイメージを180度変えた躍動感ある洗練されたデザイン。

1980年代後半〜1990年代初頭、日本で「空飛ぶレンガ」の愛称で呼ばれたボルボは、ボクシーな240シリーズが人気を博した。1999年からフォード傘下に入り、グループのプラットフォームやエンジンの共用という“制限”の中で、ボルボらしさを見失うこともあったが、2010年に中国の吉利汽車に親会社が変わったことで、完全自社によるエンジンや新デザインの模索を開始。そして2016年に登場した新世代ボルボ第一弾、2代目XC90から現在の快進撃が始まった。

日本がバブル景気の頃に人気を博した240シリーズの244。

240シリーズの245GL。

2010年からシンプルで美しくクラフトマンシップが溢れるデザインへと方針転換。「スカンジナビアデザイン」を標榜し、一連の新世代ボルボデザインが完成された。

●スウェーデンらしさやボルボらしさが巧みに具現化されている。

「スカンジナビアデザイン」という言葉は、自動車に限らず家具や雑貨でも馴染み深い。その聞き覚えのある言葉を前面に押し出して具現化したことが、新世代ボルボを成功に導いた所以のひとつだろう。デザイン部門上級副社長のロビン・ペイジ氏は「我々が心がけているのは、ブランドのためのデザインをするということ。お客様が世界中のどこにいてもどこに住んでいても、スウェーデンやボルボを体感できることが重要です」と語る。これはインテリアに限らず、トールハンマーをはじめとするエクステリアにも共通することで、アイデンティティを映し出すことが大きなテーマとなっている。「揃えるボディカラーはどれもスウェーデンの景観との調和を考えています。また、スウェーデンの冬は日照時間が短く家で過ごす時間が長いので、クルマの中にいても家の中と同じような居心地の良さを感じられるインテリアも大切です」とも語る様に、スウェーデンやボルボの具現化が世界中でウケたと言えるだろう。

17年間に渡りベントレーのインテリアデザイナーを務め、2013年にボルボへ移籍。新世代ボルボのデザインを指揮したキーパーソン。

日照時間の短い冬でも室内では温かみや快適性を感じられるインテリアが多いボルボ。写真のモデルは、明るい色のパーフォレーテッド・ファインナッパレザーが採用される。

●ジャーマンプレミアムより手が届きやすい価格帯。

昨今のボルボはジャーマンプレミアムに引けをとらないブランド力を持ちながら、価格がリーズナブルであることも大きな魅力。ダイナミクス性能を比べれば、ドイツ勢に一日の長を感じる場面も多いが、3点式シートベルト、SIPS(側面衝撃吸収システム)などを先駆けて装備し、現在も速度設定を行えるケア・キーの導入など、安全面ではリーダー的役割を担っている。ライバルより安くても安全性やホスピタリティは納得のレベルなのだ。

ボルボXC60/6,340,000円〜。

アウディQ5/6,490,000円〜。

メルセデス・ベンツGLC/7,000,000円〜。

フォト=柏田芳敬/Y.Kashiwada、大木文彦/F.Oki、安井宏充/H.Yasui(Weekend.) ル・ボラン2020年7月号より転載

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