愛娘のアマンダ・マクラーレンが彼の人生と業績を記念する等身大の銅像を除幕
6月3日、マクラーレン・オートモーティブは、創業者ブルース・マクラーレンの没後50年の節目に、英国ウォーキングにある同社本拠地で記念式典を開催したことを発表した。
2020年6月2日は、先駆的なレーシングドライバーであり、エンジニアでもあったブルース・マクラーレンの逝去からちょうど半世紀の節目となる。ブルースは1970年、英国ウェストサセックス州のグッドウッド・サーキットで、自身のCan-Amレーシングカー「M8D」をテスト中に命を落とした。32歳の若さだった。
このたび、イギリス・サリー州ウォーキングにあるマクラーレン・テクノロジー・センター(MTC)では内々で式典が開催。マクラーレン・オートモーティブのブランド・アンバサダーを務める彼の愛娘アマンダ・マクラーレンが、父を記念する等身大の銅像の除幕を行なった。
マクラーレン本社に展示されている1970年モデルのマクラーレンM8Dのまわりには、50個のキャンドルが並べられた。これはブルースが命を落としたM8Dの「姉妹マシン」にあたり、ブルースのチームメートでニュージーランドの同胞であるデニー・ハルムがドライブして、1970年Can-Am選手権を制覇したマシンだ。ハルムがチャンピオンとなるのは2度目で、ブルース自身も1967年と1969年に栄冠を手にしていた。マクラーレン・チームは1967年から5年連続でCan-Amレースを席巻したのである。
アマンダ・マクラーレンは次のようなコメントを発表している。
「ブルースの没後50年を記念して、彼の人生と業績を称えるこの銅像を披露できることを光栄に思います。父はニュージーランドからイギリスに渡ってわずか12年で、すでにいくつもの大望を実現していましたが、まだまだこれからという1970年6月に亡くなりました。F1世界選手権をはじめ、1995年ル・マン24時間レースでの歴史的な勝利など、マクラーレンの名の下で50年以上にわたる設計、開発、製造されているスーパーカーやハイパーカーなど、すべてが父の遺産ともいえます」
「6月2日は私たちにとって特別な日ですが、今年はことさらです。父がマクラーレンを見渡している姿を思うととても感動的であり、自分の名前で築き上げられてきたマクラーレンの姿をきっと心から誇りに思っていることでしょう」
ブルース・マクラーレンの銅像を製作したのは画家で彫刻家のポール・オズ。モータースポーツからインスピレーションを得たアートで世界的に知られるオズは、過去にマクラーレン・レーシングの依頼で、やはりMTCに展示されているアイルトン・セナの銅像も手掛けている。セナはマクラーレンに6年間在籍し、1988年、1990年、1991年と、3度のF1世界選手権の王座をすべてマクラーレンのステアリングを握って獲得した。
ブルースは1966年のモナコGPに出走し、創設間もないマクラーレン・チームのグランプリデビューを飾った。また、1968年にはベルギーのスパ・フランコルシャンで初優勝をマクラーレンにもたらしている。これはブルースにとって、クーパー在籍時の3勝に続く4勝目だった。以来、マクラーレンの名を冠したチームは、トータル182勝、ドライバーズ・チャンピオン12回、コンストラクターズ・チャンピオン8回を数え、F1世界選手権で史上2番目に大きな成功を収めたチームとなった。また、マクラーレンはインディアナポリス500でも3度優勝しており、今年初頭から40年ぶりに再びインディカーシリーズにフル参戦している。
ブルース自身はロードカーの生産には関与しなかったが、1992年の「マクラーレンF1」の誕生によって、マクラーレンの名はさらに深く自動車の歴史に刻み込まれることとなった。1995年には初参戦のル・マン24時間レースで、「マクラーレンF1」のレース仕様車が優勝を飾った。
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