高速長距離走行は得意中の得意「メルセデス・ベンツE350de」【JAIA輸入車試乗会】

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2020/05/24 13:00

重量増をものともしないパワフルな加速を披露

ここ数年、 自動車メーカーは電動化モデルの開発と拡充に余念がない。目的はもちろん地球規模での環境改善であり、具体的にはCO2排出規制の強化などに対応するためである。そのためには走行中に排ガスを出さない純EVを多くリリースすることが効果的であるが、また一方で既存車種を電動化して排ガスを減らす方策も練られている。
メルセデス・ベンツにおいては“EQC”という新型電動SUVを発表・発売したことが記憶に新しいが、それとともに“EQパワー”と銘打ったプラグイン・ハイブリッドの拡充にも力を入れている。その代表格が昨年発表されたE350eとE350deである。


この2台はメルセデスの中核モデルであるEクラスをベースに、内燃機関に電動モーターと大容量バッテリーを組み合わせて搭載し、ケーブルを用いて家庭用電源などからの充電を可能としたプラグイン・ハイブリッド車である。E350eはガソリンエンジン+モーター/バッテリーの一般的なプラグイン・ハイブリッド車だが、E350deはクリーンディーゼルエンジンにモーター/バッテリーを組み合わせたモデルだ。日本における乗用車の中では、クリーンディーゼル車のプラグイン・ハイブリッドは初登場ということで、大いに注目を集めている。今回はこのE350deを試した。

E350deが搭載する2L直4ターボディーゼルは、エンジン単体で最高出力194ps/最大トルク400Nmを発生。これに122ps/440Nmの電気モーターを組み合わせることで、システム総合で307ps/700Nmの強大なパワーを生み出す。そしてバッテリーはメルセデスの完全子会社であるDeutsche ACCUMOTIVE製のリチウムイオンで容量は13.5kWhを誇る。バッテリー満充電時のEV航続距離は欧州のWLTPモードでの計測値で50kmを標榜。メルセデス自身、平日の通勤等はEVモードのみで賄え、週末の遠出にはディーゼル・パワーとの組み合わせで高速長距離走行が理想的な使い方だと主張する。
今回、そんな高速長距離移動は叶わなかったが、E350deの高性能の片鱗を窺うことはできた。モーターやハイブリッドユニット、リチウムイオンバッテリーなどを追加したことにより、E350deの車重は通常のEクラス・ディーゼルから300kg増の2.1トンにもおよんでいるものの、通常発進時はEVのようにモーターのみで動き出し、モーター単体でも最大トルクは440Nmと充分以上だから、もたつくことなくスルスルッと駆け出してくれる。

加速はモーターが音もなくシームレスに行ってくれるし、減速では回生ブレーキもしっかりと効くから、ほとんどEVのよう。さらに加速を得たい場合にはアクセルを踏み込むことだが、その際は一旦ペダル操作に抵抗が加わり、その先にエンジンの始動があることを訴える。つまりは余計な踏み込みを抑制して燃費向上に役立っている。エンジンの始動はメーターの表示や音で気づきはするものの、始動にともなう無粋な振動は伝えてこない。

やはりEクラスのラグジュアリーサルーンらしい上質さは保たれていて、もともと高いレベルにあった乗り心地にはさらに重厚感が増していた。唯一気になったのは減速時のマナーで、回生ブレーキ特有のタッチと制動力の立ち上がりかたには少し違和感を抱いた。ただ、この重量車をしっかりと減速・制御できる安心感を持たせているのはさすがと言えるだろう。
企業が自身の将来を見据えながら、既存車種を積極的に電動化できるのは、ベースとなるモデルの確かな素性があってのもの。プラグイン・ハイブリッド仕様でもEクラスはEクラス。メルセデスの屋台骨を支える、頼れるリーダーであることに変わりはない。

【Specification】メルセデス・ベンツ E350deアバンギャルドスポーツ
■全長×全幅×全高=4923×1852×1475mm
■ホイールベース=2939㎜
■乗車定員=5名
■エンジン型式/種類=OM645/直4DOHC16V+ターボ
■内径×行程=82.0×92.3mm
■総排気量=1950㏄
■圧縮比=15.5
■最高出力=194ps(143kW)/3800rpm
■最大トルク=40.8㎏-m(400Nm)/1600-2800rpm
■燃料タンク容量=60L(軽油)
■トランスミッション形式=9速AT
■サスペンション形式=前4リンク/コイル、後マルチリンク/コイル
■ブレーキ=前Vディスク、後Vディスク
■タイヤサイズ=前245/45R18 後275/40R18
■車両本体価格(税込)=8,750,000円

【問い合わせ】
メルセデス・ベンツ日本 https://www.mercedes-benz.co.jp/

フォト:柏田芳敬(Y.Kashiwada)

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