【海外試乗】「シボレー・コルベット」8世代目を機に全面刷新!

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2020/05/11 11:00

アメリカンスポーツカーのシンボル的存在でもあるコルベットの8世代目が、いよいよ路上を走り始めた。シリーズ初のミッドシップレイアウトや、完全新設計のシャシー、シボレー初の8速DCTの搭載などトピックスにはこと欠かないが、ニッポンのカスタマーにとってもっとも嬉しいニュースは、やはり右ハンドル仕様の導入になろうか。早速、第一報をお伝えしよう。

最高速度は320km/h、0→60マイルは2.9秒

初代=C1の登場から数えて66年、8代目=C8となる新型コルベットがこの2月より、いよいよアメリカでデリバリーが開始された。市販モデルとしてはトヨタ・クラウンより、スポーツカーとしてはポルシェ911よりも長い歴史を同じ名前で紡いできたこのモデルが今回採ったのは、史上最も革命的なフルモデルチェンジだ。

コルベットの歴史の中で今後C8のコードネームは大きな意味を持つはずだ。

すでにご存じの方も多いだろう、伝統のフロントエンジン・リアドライブからリアミッドシップへとパッケージを改めたその最大の理由は、昨今のスーパーカーリーグを中心としたパワー競争にまつわる駆動性能確保が限界に達していたこと、並行してGTEやGT3カテゴリーのレーシングモデルでも同様の悩みを抱えていたことにある。5代目以降はトランスアクスルを採用して対処したものの、いよいよ抜本的な変更が求められるに至った、性能要件からいえばFRはもう究めきったということでもあるだろう。

歴代コルベットとは一線を画すプロフィール。ドライバーはフロントホイールの真上に収まるようなドライビングポジションとなる。

長き歴史の中でも常にミッドシップへの模索を繰り返してきたコルベットは、先代C7が登場した2014年にはすでにホールデンのライトトラックの荷台を活かしたミッドシップのテストベッドを作り上げ、その検討を開始したという。そして2016年には基本寸法をすべてフィックスした試作車を完成、2017年には量産試作に準じた試作車にスイッチしていたというから、5年余の開発期間の大半は走り込みに費やされている。

キャビン後方に搭載されるNAの6.2LスモールブロックV8。潤滑はドライサンプとし、低位置に搭載することで低重心化に貢献。

シャシーアーキテクチャーはC1からの伝統だったフルフレーム構造から、多くのスーパースポーツが採用するアルミスペースフレーム構造となり、単体比でC7に対して約20%の剛性向上を果たしている。また、サスペンションではC2以降採用されていたリアのコンポジットリーフスプリングを横置きする独特の構成を改め、オーソドックスなコイルオーバー式となる4輪ダブルウイッシュボーンが採用された。

ボディはついにアルミスペースフレーム構造とし、先代比で20%剛性をアップ。サスペンションは4輪ダブルウイッシュボーンだ。

一方でグレードや装備についてはコルベットの伝統が踏襲されており、運動性能を高めるZ51パッケージでは電子制御メカニカルLSDや強化されたコイル&スタビライザー、第四世代のマグネティックライドダンパー、大径ディスク&ブレンボブレーキシステムなどが配される。日本仕様については全グレードにこのZ51パッケージが標準装着される予定だ。

新意匠となる前後ライトをはじめエクステリアも全面刷新。

C8に搭載されるエンジンは従来からのOHV V8を継承。LT2のコードを持つ6.2L自然吸気のスモールブロックユニットは、当然ながら中身はC8に合わせて各部が徹底的にリファインされたものだ。潤滑はグレードを問わずドライサンプに統一され、1.25Gの横加速力が定常的に加わっても油膜切れを起こさないようにスカベンジポンプを3基配するなど冷却系も入念に手が加えられている。その最高出力は495hp、最大トルクは637Nmと、C7世代のLT1に対して若干ながらパフォーマンスも向上した。

リアフェンダー手前に大きく口を開けたエアスクープがミッドシップの証。

トランスミッションはGM傘下のトレメックとの新規共同開発となる8速DCTを採用。ローンチモードも備えるこのギアボックスとの組み合わせで最高速度は約320km/h、0→60マイルは2.9秒の動力性能をみせる。これは650hpを発揮するスーパーチャージドV8を搭載したC7のZ06に比べても同等以上の数値だ。ちなみに、Z51パッケージを装着したC8はすでにノルドシュライフェを走っており、非公式ながら7分29秒台のラップタイムをマークしているという。すなわち日本仕様は全量このスペックでデリバリーされるということになる。

フォト=ゼネラルモーターズ・ジャパン/GENERAL MOTORS JAPAN ルボラン2020年5月号より転載

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