メルセデス・ベンツW124(S124)に「ブルーアース4S AW21」を装着!
首都圏などの非降雪地帯では年に数回しか雪は降らない。とりわけ週末の自家用車がメインとなれば、スタッドレスタイヤへの履き替えは効率的ではないと感じるユーザーは意外と多いのではないだろうか? かく言う私も、12月にスタッドレスタイヤに履き替えたものの、積雪時に自家用車に乗る機会がなく、そのメリットを享受しないままサマータイヤに再び履き替えたことが2年続いた。
もちろん、いつ雪が降っても走れる愛車は万が一のライフラインという意味では心強い。しかし、次のクルマへ乗り換えた時にかつてのことを思い返すと、新しいスタッドレスタイヤを1セット用意するのには、少々気が引けてしまった。
そこで最良の選択としてスポットライトが当たるのがオールシーズンタイヤなワケだ。一年を通じて使用することができ、突然の積雪にも即対応。非降雪地帯のクルマ所有者にとってはうってつけの商品だが、実際の走行の9割はドライ&ウエット路面であることを忘れてはいけない。通常時(ドライ/ウェット)で、快適な乗り心地や高いハンドリング性能を提供してくれた上で雪上性能を担保したタイヤこそ、ベスト・オールシーズンタイヤではないだろうか?
ヨコハマタイヤ「BluEarth-4S AW21」は優れた雪上性能とウェット性能を両立させながら、ドライ性能や耐摩耗性能を確保したオールシーズンタイヤだ。特にオールシーズンタイヤはドライ路面での耐摩耗性能と静粛性が不得意とされていたが、そこにも十分に力を注いだ「BluEarth-4S AW21」は、非降雪地帯でそれなりに走るユーザーにとっては嬉しい選択肢といえる。
今回、私の愛車メルセデス・ベンツのW124(1991年式)をデモカーに選出いただき、件の「BluEarth-4S AW21」を装着させていただいた。昨今、ヤングクラシックとして脚光を浴びることが増えてきたW124(ワゴンなので正式名はS124)は、最小限の電子デバイスにメルセデスが脈々と積み重ねてきた機械技術を集大成化したモデルで、30年以上の時が経っても上質な乗り心地は失われていない。アシもよく動くので、タイヤ性能の良し悪しは最新のクルマよりもダイレクトに伝わってくるとも言える。そう、ヤングクラシックのタイヤ選びは、実は重要なのだ。
そしてクラシック&ヤングクラシックに乗る人は、意外に(むしろとても!)気にするのがトレッドパターンやサイドウォールのデザイン。V字型のブロック配列は果たしてどうなるかと思ったが、クルマの雰囲気とケンカすることなく、すんなりと馴染んだというのが第一印象だ。
装着後、晴れた都内を走り出す。低速域ではスタッドレスタイヤに近い印象をわずかに感じ取れ、アスファルトをパリッパリッと弾く音が車内に聞こえてきたが、見方を変えれば路面をしっかり掴んでいる証拠。しかし「BluEarth-4S AW21」の真骨頂は中・高速域になってからで、スタッドレスタイヤのように車線変更時にヨレることはなく、元々はダルなハンドリングのW124の回頭性は、むしろシャープな印象へとベクトルを変えてくれるほどだった。
東名高速道路を時速100km/hで走行しても基本的にその印象が変わることはなく、イジワルなくらいに感覚を研ぎ澄ませば、柔らかい乗り味が見え隠れするものの、普通に乗る分にはサマータイヤとの違いには気づかないレベルだろう。
そして、静粛性に至ってはネガな部分は一切見られなく、V字型のパターンノイズがドライバーを悩ませることも皆無(おかげで、老体が発するいつものエンジン音や風切り音がよく聞こえる!)。現代のジオメトリーを考慮したタイヤ設計であっても、30年前のクルマにも寄り添う高性能っぷりは嬉しい限りだ。
別の日に東名高速道路を走行中、ゲリラ豪雨に見舞われたことがあったが、十分なグリップ力を感じることができた。おそらく、トレッド面センターに配置された直線溝が高い排水性を発揮することでハイドロプレーニング現象のリスクをおおむね回避でき、ブロックが路面をしっかりと噛みつけられるのだろう。
また、3月下旬に関東地方では季節外れの大雪に見舞われたことがあったが、ここぞとばかりに雪化粧をした幹線道路や住宅街を走らせた。この印象は、本格的な雪道をテストした時と合わせて秋〜冬に再びレポートしたいが、ここでも路面を確実に引っ掻く手応えを感じとることができた。
このまま「BluEarth-4S AW21」を愛車に装着させてもらい、今後はロングドライブ時の燃費性能や雪上性能をレポートする予定だが、今回のまとめとしては日常使いのヤングクラシックにオールシーズンタイヤを選ぶことにネガティブな要素は見つからなかった。トータルの経済性や効率性、ドライ&ウェット路面での走行性能を鑑みれば、損のない選択と言えるだろう。
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