価格で選ぶか? 動力性能と燃費をとるか?
A200d(左奥)、A180 Style(右手前)
ハッチバック(メルセデスAMGを除く)のエンジンはガソリンとディーゼルがそれぞれ直列4気筒ターボの1種類ずつのみで、排気量はガソリンが1331cc、ディーゼルが1949cc。組み合わされるトランスミッションはガソリンが7速DCT、ディーゼルが8速DCT。そしてパワースペックはガソリンが136ps/200Nm、ディーゼルが150ps/320Nmとなっている。最大トルクの発生回転はどちらも1400rpmがスタートで、ガソリンは4000rpmまで、ディーゼルは3200rpmまで続く。
Aクラスは、新世代ワイド&ローのプロポーションにメルセデス・ベンツの先進技術を注ぎ込んだスポーツコンパクトモデル。これまでSクラスやEクラスなど上級モデルに搭載されていた多くの機能も取り入れている。
同じ1400rpmでも、そこに到達するまでの時間はガソリンのほうが早いから、スタートダッシュはガソリンのほうがいいが、後半の伸びはガソリンの1.6倍の最大トルクを発生するディーゼルのほうがいい。どちらもトランスミッションとのマッチングがイマイチで、スロットルペダルの動きに対してスムーズに追従しない場合がある。加えてペダルの踏力も軽めなので、右足での細かいコントロールはちょっとやりにくい。
対話型インフォテインメントシステム MBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)。その最大の特長のひとつが、人工知能による学習機能で、特定のユーザーに適応する個別対応能力を備えていることだ。クラウド上のソフトウェアモデルによって新しい流行語を覚えたり、時代による言葉の用法の変化を学習するほか、オーナーとなり使っていくうちに、ユーザーが次に何をしたいかを予測して提案してくれたりもするのだ。自然対話式音声認識機能を備えたボイスコントロールでは、「ハイ、メルセデス」と呼びかけると「何を行ないますか?」とクルマが聞いてくる。「お腹が空いた」というと、近くの飲食店のリストがディスプレイに表示され、番号を話すとナビが案内してくれる。使い方によってどう育てていくかはアナタ次第です。
燃費はもちろんディーゼルのほうがよく、今回は正確な計測ができなかったけれど、日常的な使い方でおそらく20km/L前後はいくだろうと想像できる。ガソリンはエンジンだけを見れば可もなく不可もないが、このディーゼルとの比較となると、動力性能や燃費で物足りないかもしれない。車両本体価格が30万円安い(A180なら72万円)のはアドバンテージになると思うけれど。