目標は2039年までのCO2ニュートラル化
三菱ふそうトラック・バス(MFTBC)は、CO2排出削減を通じた環境への取り組みをさらに加速。2039年までに国内に投入するすべての新型車両を走行時にCO2を排出しないCO2ニュートラル車にするビジョンを発表した。この取り組みにともない、燃料電池(FC)トラックの量産を2020年代後半までに開始するという。
独ダイムラーの一員として、MFTBCはパリ協定にコミット。2039年までに国内に投入するすべてのトラックおよびバスの新型車両をCO2ニュートラルにするビジョンを提示した。CO2排出ゼロの輸送や環境への配慮に対する関心は世界的に高まりを見せており、日々変化する業界の動きやニーズに対応するためには先進技術の採用が不可欠。MFTBCは、真のCO2ニュートラルの輸送はバッテリー式電気自動車、または水素を燃料とした燃料電池自動車のいずれかのみで実現すると考えている。
MFTBCはCO2排出削減の課題解決に向けたソリューションとして、2017年に初の量産型電気小型トラック「eキャンター」の販売を開始、商用車のゼロエミッション化を先導している。車両総重量7.5トンクラスのeキャンターは、ルート配送や都市部での走行などに適しており1回の充電で約100kmの走行が可能。これまでに日本、欧州および米国で合計150台以上が稼働中で、走行実績はグローバルで合計160万km以上に到達している。
MFTBCは、こCO2削減に向けた取り組みを今後加速。2020年代後半までに、燃料電池トラックの量産も開始する。2019年には東京モーターショーで燃料電池小型トラックのコンセプトカー「ビジョンF-Cell」を初公開。3月26日には、「eキャンターF-Cell」として新たに改良した同コンセプトカーを公開した。コンセプトカーは車両総重量7.5トンクラスで、より高いエネルギー密度の高圧水素を用いることで最大300kmの走行が可能。水素の充填時間も10分以内と、電気自動車の充電時間に比べ大幅に短縮している。MFTBCは、電気自動車と燃料電池自動車が個別の輸送ニーズを満たす上で相互に補完し合う存在と考えている。
また、MFTBCはダイムラーのトラック・バス部門が2018年に立ち上げたeモビリティの研究開発を行なう組織、「エレクトリック・モビリティ・グループ(EMG)」の一員として商用車の電動化における研究開発や戦略策定に参画。より進化した機能を持つeキャンターの開発だけでなく、今後すべてのトラックおよびバスを電動化する。
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