「アウト・モーター・ウント・シュポルト ベスト・カーズ2020」独『AMS』誌の読者アンケート結果が発表

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エンドユーザーの意識もいよいよBEVへシフトか?

自動車業界には様々な人気投票やコンテスト、さらにはユーザー調査が存在するが、ドイツの自動車専門誌「アウト・モーター・ウント・シュポルト(AMS)」が毎年行っている、読者による各自動車メーカーのイメージとトレンドに関するアンケート調査ほどユニークで信頼性の高いものは存在しない。44年目になる今回の調査では、ドイツだけでなく、姉妹誌、提携誌を含む欧州13カ国と中国の読者、計10万2974人から回答が寄せられている。

この調査結果と発表イベントがいかに重要かは、タイトルカットを見れば一目瞭然、ドイツ自動車メーカーの社長、開発担当役員らトップマネージメント全員が顔を揃えていることからも容易に窺える。すなわち、彼らは幼少の頃からAMS誌を読んで育ってきたのだ。
この調査でまず注目するべきは人気投票で、その対象となるのは自分が手に入れたい夢のスポーツカーから手の届くコンパクトカーまで実に多彩。そして、そのシンボルとしてのスポーツカーではポルシェ911が、ラグジャリークラスではメルセデス・ベンツSクラスが選出された。また、一般の読者が手の届く身近なモデルでは、様々な項目の総計で1位はやはりフォルクスワーゲン・ゴルフで、2位にメルセデス・ベンツAクラス、3位にBMW1シリーズが続いた。

毎回注目が集まる身近なコンパクトカーのクラスでは、急追するプレミアム勢を抑えて今年もVWゴルフに軍配が上がった。

ここまでの報告で、「なんだ、結局はドイツメーカー中心のご当地のお祭りか!?」という声が聞こえてきそうだが、そんなことはない。この調査では、グローバルな視点から優れた自動車技術に「インターナショナル・イノベーション・オブ・ザ・イヤー・パウル・ピーチ賞」(AMS誌の創始者の名前)が贈られるのだが、今年はマツダのSKYACTIV-Xエンジンに採用された燃焼システム「SPCCI」がトップに選出された。これまでダイムラーが「ディゾット(Diesel+Otto)」、あるいはフォルクスワーゲンが「CCI」で何年も開発を続けながら断念した超リーンバーン技術を実用化した功績が認められたのである。さらに、マツダはロードスターがカブリオレ部門でもトップになっている。

5年後にゴルフとID.3のどちらを購入するか? という質問に対する回答。現在はイーヴンだが5年後は37%対63%という結果に。

また、この調査では近未来のトレンドも垣間見ることができる。
「現在、そして5年後のあなたはゴルフとID.3のどちらを買いますか?」という質問に対して、現在は50%対50%、5年後は37%対67%という結果になった。はたして、5年後のID.3購入希望者17%プラスを多いと見るか少ないと見るかは、判断の分かれるところではあるが……。

ルボラン2020年月4号より転載

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