ホンダ・インサイトとプジョー308各々の特徴が現れたウェット路での高い安全性とは【清水和夫のDST】#103-3/4

それぞれの特徴が現れたなかでウェット路での高い安全性を披露

HONDA INSIGHT EX

●制動距離:49.0m(★★★★☆)

1回目の走行では驚くほどのストッピングパワーを発し、ライントレース性も良かった。制動距離は48mと標準的だったが、内側のパイロンからほとんど離れなかった。これが意識的に制御した結果なのか、それが重要となるが、ホンダは動的な安全性に対する思想を持ってインサイトを開発したと理解した。インサイトが履くトランザER33は低転がりタイヤではなく、安心してウェットドライブできたのだが、ステアリング操作を先行してテストした2回目は、ABSが低μ判定してしまい、外側に膨らんでしまった。そのため、パイロンからの距離は308よりも悪かったが、全体的にはダイナミックな走りで、期待以上の性能だった。

PEUGEOT 308 GT Line BlueHDi

●制動距離:59.5m(★★★★☆)

ウェットの旋回ブレーキテストでもっとも気になるのはタイヤの残溝だ。プジョーが履くミシュラン・パイロットスポーツ3は、前後とも6mm台、8分山の状態だったので、安心してウエットテストを実行できた。その性能もテスト結果に大きく影響を及ぼすが、インサイトと比べるとストッピングパワーが強く、力任せに止めている感じで、パイロットスポーツ3は終始余力があって、無理矢理制動力を発揮させたものの、旋回する力(横力)はあまり衰えなかった。それでもステアリングをしっかりとインに向けて操舵しておけば、インサイトの車体半分くらい外側で停止(走行1回目)。旋回性能よりもストッピングパワーが印象的だった。

フォト:篠原晃一 ル・ボラン 2019年10月号より転載

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