2017年に発売されたミシュランのスタッドレスタイヤ、「X-ICE3+(エックスアイス スリープラス」は、2012年にデビューした「X-ICE XI3(エックスアイス エックスアイスリー)」の改良版ともいえるモデルだ。というのも、トレッドパターンはX-ICE XI3と変わらないから、というのがその理由。とはいえ表面再生ゴムと呼ばれる新しいゴムを採用することで、新品時のアイスブレーキング性能を4.5%向上させたのに加え、摩耗時のアイスブレーキング性能を11.5%向上させているなど、特にアイス性能とロングライフ性能が進化しているのが特徴となっている。
摩耗時のアイスブレーキング性能向上に効いているのが、表面再生ゴムのなかに「Mチップ」と呼ばれるコンパウンドが含まれていること。摩耗が進むとこの「Mチップ」が溶け出すことにより無数の穴が現れ、氷とタイヤの間の水分を除去し氷に密着させるしくみなのだという。
今回はスバル・レヴォーグSTIに装着し、一路蓼科を目指し試乗を行った。ミシュランのスタッドレスタイヤというと、一般的には高速道路に強いというイメージがある。これは同社が以前からドライ性能を重視していたということもあるが、それゆえ速度記号も国産スタッドレスが軒並み「S(最高速度190km/h)」なのに対し、このX-ICE3+は「Q(最高速度210km/h)」とされているのだ。もちろんそんな速度で走行する機会はないだろうが、性能的に余裕があることはいいことに違いない。実際往路の中央道でも、優れた直進性はもちろん、コーナーが続くシチュエーションでも極めて安定した走りを体感することができた。
このフィーリングは雪上でも同様で、多少の轍がある状況でも不安感はない。コーナリング時も通常のスピード域ならステアリングを切ったとおりにクルマが向きを変えてくれるグリップ性のを発揮してくれるから、気持ちいいドライブが楽しめた。
肝心のアイス性能は今回充分に試すことはできなかったが、それでもところどころ凍結している路面で発進や制動、コーナリング性能をチェックしたところ、発進時はあっけないほどたやすくクルマが動き出し、ブレーキング時はタイヤがしっかり路面を掴んでいるかのような感触が良好。さすがにコーナリングではある程度グリップが抜けることもあるが、滑り出しが穏やかなのでそれほど不安を感じることはなくドライブできた。
このあたりは従来のX-ICE XI3からの技術である、効果的な除水を実現した「マイクロポンプ」と、安定した接地面で強力にグリップする「クロス Z サイプ」、エッジ効果を高める「ZigZag マイクロエッジ」の「トリプル・エフェクト・ブロック」に、タイヤ全体のブロックがしっかりと氷をとらえ路面に密着する「マックスタッチ」、さらにで多方面へのエッジ効果を発揮する「バリアブルアングルサイプ」が効いているのであろう。
ちなみに以前アイススケートリンクで、X-ICE3+の約1万km走行し摩耗したものと新品を比較試乗する機会もあったが、特にブレーキング時の性能低下が抑えられているのに驚いた。
このようにベースモデルが登場してからすでに8年が経過しているのにも関わらず、いまだに優れた雪上&氷上性能を発揮し、加えて摩耗時のブレーキング性能も手に入れているミシュランX-ICE3+は、スノードライブの相棒として最適なスタッドレスタイヤのひとつと言えよう。ちなみにラインナップは、15~19インチまで全37サイズが用意されている。
商品紹介ページはこちら
https://www.michelin.co.jp/auto/tyres/michelin-x-ice-3
取材協力=日本ミシュランタイヤ
https://www.michelin.co.jp/
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