【プロトタイプ試乗】「ホンダ・フィット」全方位的に進化したホンダの意欲作!

新型フィットはベーシックカーとして世界で高い支持を得るはず

現状、公式な数値は未発表だが燃費性能もクラストップレベルを目指して開発中という。走りに関しては、直進時にはステアリングがセンターで落ち着き、切り始めると舵角に対して正確な反応を示す。中速域以上になると軽めだったステアリングの手応えにシッカリ感が加わり、切り込む過程でタイヤのグリップ力が増す実感が得やすい。ロールの進みぐあいも適度であり、4輪がバランスよく路面をつかんでいる様子が伝わってきた。それでいて、乗り心地が快適なことも新型フィットの特徴だ。特に、路面の凹凸やうねりなど強い入力による衝撃のいなし方はフォルクスワーゲン・ポロなどの欧州車を思わせる。

新型のAピラーの太さは従来型の116mmから55mmと変更され、フロントの視界が改善された。写真は「ホーム」のインテリア。明るめのカラーでコーディネートされ、レザーステアリングやプライムスムースのソフトパッドなどを採用する。また、電動パーキングブレーキが全車標準装備となる。

1.3LガソリンエンジンはCVTとの組み合わせになるが、ベーシックカーとしては十分な力強さを得ている。ただ、走りの質感についてはクラスの平均レベルといったところだ。

その一方で、新型フィットは室内スペースが欧州車のCセグメントを超えるほど広々としている。前席で最適な運転姿勢を選び、そのまま後席に移っても膝と背もたれの間に握りこぶしが縦に1つ以上入る余裕があるほどだ。シートは従来型よりクッション厚がフロント30mm、リアで24mm増加しており、これにより疲れにくい座り心地を維持することができる。

荷物の出し入れがしやすく、実用的な容量を確保したラゲッジルーム。後席は分割可倒式を採用。新型は車載通信モジュール「ホンダ コネクト」を初搭載。スマートフォンでエアコンの始動やドアロックの操作が行なえる。

まだ詳細なスペックは明らかにされていないが、ボディサイズは5ナンバーサイズの従来型とほぼ同じだという。新型フィットは、日本車を代表するベーシックカーとして世界の市場で高い支持を得るはずだ。

FIT CROSSSTAR

フィット・クロスターは、街やアウトドアにも似合うSUVスタイルのデザインとなる。足元には185/60R16タイヤを装備。インテリアには撥水ファブリックシートを採用する。

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本田技研工業 0120-112-010

フォト=小林俊樹/T.Kobayashi ル・ボラン2020年2月号より転載

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