標高の高い場所での雲海見物では防寒対策を忘れずに!
雲海スポットの中にはさまざまな場所がある。なかには、登山道のような険しい山道を登らなければ辿り着けないような展望台もあるので注意が必要。その土地や状況に応じた準備や装備を忘れずに!
本編で何度も書いてきたように、雲海が発生しやすいのは早朝の時間帯である。できることなら夜明け前から雲海スポットで待機し、日の出とともに色づいていく雲の色、微妙に変化する空のグラデーションなど、トワイライトタイムのマジックをたっぷりと味わっていただきたい。
早朝の雲海タイム、標高の高いところでは思った以上に気温が低下することがある。まずは寒さ対策をしっかりしておこう。
そんな早朝の雲海見物で、ひとつ注意しなければならないのは寒さ対策だ。夏だからと薄着のまま出かけると、寒くてゆっくり景色を眺める余裕がなくなってしまうこともある。かさばらない薄手のウインドブレーカーなどでもいいから、一枚上衣を羽織って行くのが正解だ。
ちなみに気温は標高が1000m上がるとおよそ6度低下する。峠の頂上や山の展望台から雲海を見ようとする時は、麓との標高差を頭に入れて防寒装備を準備しておこう。
このほか、雲海ウォッチングに際しての注意点をいくつか上げておくと、まず春先や晩秋の峠道では天候の急変に注意したい。冬季閉鎖が解除された直後の志賀草津道路などでは、雪の回廊が見られるし、雲海が発生する確率もかなり高いのだが、天候が崩れると雪やみぞれが降ることも珍しくない。スタッドレスタイヤは必須で、日中や夜間に融けだした雪が、夜明け前の冷え込みで凍結することもあるので、路面状況に注意しながら慎重に運転してほしい。
雪の回廊も楽しめる冬季閉鎖解除直後の志賀草津道路。早朝は路面が凍結することも多いので、慎重な運転を心がけたい。
また、人気の展望スポットでは駐車スペースが満杯になり、路肩にクルマがあふれてしまうこともある。そんな時は通行の邪魔にならない、見通しのいい場所にクルマを寄せるよう気を遣いたい。
このほか、クルマを駐車場に置いて、夜明け前の山道を展望台まで登るような時は、小型のヘッドライトを持参した方がいい。竹田城跡や越前大野城など、いわゆる「天空の城」の展望スポットの中には、けっこう急な山道を登らなければならない所もある。そんな場所では履き慣れたトレッキングシューズがあった方が安心だ。
また、あまり有名でない展望スポットの中には、案内表示などがまったく整備されてない所も少なくない。そんな山道を夜明け前に歩く時は、道に迷わないよう注意することも必要。もし時間があれば、前日の夕方などの明るい時間帯に、展望スポットへの道を一度歩いておくといいだろう。
写真提供:星野リゾート
文:佐々木 節/撮影:平島 格
『雲海ドライブ&スポット』より転載。掲載データなどは2017年8月末時点のものです。実際におでかけの際は、事前に最新の情報をご確認ください。