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ラインアップが拡充された3シリーズ

新型3シリーズセダンは今年1月に日本で発表された時点で、320i SE/320iスタンダード/320iMスポーツ/330iMスポーツの4モデルのみだったが、その後、320d/330e/M340iが追加されて計8モデルとなった。価格は461万円(320i SE)から980万円(M340i)と幅広く、今回の企画に該当するのは320iSE/320iスタンダード(533万円)/320iMスポーツ(594万円)/320d(589万円)である。

BMW 320d xDrive Msport/3シリーズはやっぱり素性のいいクルマである。

320dが搭載する1995ccの直列4気筒ディーゼルエンジンは、X2と共にデビューした新世代のユニットで、主に過給機のシステムが刷新されている。以前はシングルターボだったが、低圧用ターボと高圧用ターボを効率的に使い分けるツインターボとなった。これによりエンジン回転数の全域で十分なトルクとレスポンスの向上が図られ、400Nmの最大トルクの発生回転数は1750-2500rpmだが、どの回転域でも力強い加速が得られるし、過給機の存在をほとんど感じないスムーズな吹け上がりが実現した。

BMW 320d xDrive Msport

320dは残念ながらxDriveの4WDしか選べないが、前後の駆動力配分は随時可変し、通常はほぼ後輪のみにトラクションがかかる仕組みなので、4WDであることはそれほど意識しないで済むだろう。むしろ旋回スピードはFRよりも速く安定的とも言える。4WDによる重量増も、ディーゼルの燃費の良さで相殺されると考えられる。
320dは“Mスポーツ”仕様ではないから、タイヤ&ホイールは18インチでMスポーツサスペンションも装着されていない。つまり“素”に近い足周りなのだけれど、素直で気持ちよく曲がるハンドリングは健在。3シリーズはやっぱり素性のいいクルマである。

フォト=柏田芳敬/Y.Kashiwada ル・ボラン2020年1月号より転載

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