【嶋田智之の月刊イタフラ】生産終了のウワサのあるアルファ・ロメオ・4Cをひさびさに走らせた!

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40km/hでも心躍るドライビングマシン

アルピーヌA110とA110Sの素晴らしい従順っぷりを立て続けに堪能してたら、急にアルファ・ロメオ4Cをひさびさに走らせたい気分になったのでした。
わりとライバルだと思われがちな、A110と4C。でも実のところ、この2台はベクトルが全然違う! と思えるくらい、乗り味も何もかもが異なるのです。
4Cは、あらゆる部分が非日常的。いまだにカッコよさでうっとりできるし、着座位置は相当に低いし、今どきパワステないし、車内はバリバリヒュヒューンとエンジンのサウンドが賑やかだし、強固な車体と締まった脚が路面の凹凸を正直に伝えてくるし。アルピーヌと違って、そういう意味ではかなりスパルタンな雰囲気なのです。40km/hで走っていても、何だか物凄いモノを操縦してる感覚があるから、5分くらいそのへんを流しただけでも気持ちよーく気分転換ができちゃう。そのあたり、ケータハム・セブン並みに濃いといえるかも知れません。
A110とは別世界で、こっちはそこが楽しかったりもするのです。元気よく走ればエンジンは強烈な激しさを感じさせるフィールで跳ね上がって、ガッチリした軽量ボディをシャープに加速させるし、荷重を前寄りにしてステアリングを切り込めば後輪を軸にするみたいに短いノーズを瞬時にイン側に食い込ませるから、峠道なんて最高に楽しいのです。何度試乗しても、そのたびに衝撃的だと感じるくらい。アルピーヌもそうだけど、これはこれで唯一無二の存在。そう思えてなりません。
ちなみに今回の試乗車は、日本では限定15台の4Cスパイダー・イタリア。アクラポヴィッチのエキゾーストが備わってるのですが、これが4Cとは思えないくらい静かでジェントル。ダイナミックモードにすると一気に弾ける感じなんですけどね。それにDCTの繋がりもめちゃめちゃ滑らかになってたり、脚の動きもわずかにしなやかになってたりもします。もうモデル末期ではあるのですが、あらゆるところに進化を感じることができた試乗でした。

ル・ボラン2020年2月号より転載

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嶋田智之
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2019/12/29 15:00

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