23万3540台を生産。歴代最も成功した911に
12月20日、ポルシェは991型「911」の最後の個体が工場からラインオフしたことを報じた。最後にラインオフしたのは、2019年5月に発表された世界1948台の限定モデル「911スピードスター」だった。
ポルシェの研究開発部門で最高責任者を務めるマイケル・シュタイナーはこのようにコメントしている。
「ポルシェは伝統と革新の両方を兼ね備えています。ブランドの中核をに担う911ほど、それを明確に表現しているモデルはありません。911は1963年にそれまでの356に取って代わり誕生、その後数十年、リヤエンジンモデルとして比類なきスポーツカーのアイコンとして成長してきました。とくに991世代はパフォーマンス、ドライバビリティ、効率性の点で高い基準を打ち立てました。そんな991型の終了には、大きな誇りを抱くと同時にわずかな悲しみを感じます。私自身にとって、991型は大きな喜びをもたらしてくれました」
991型911は、997型の後継として2011年に発売。911としては7代目である。コンポーネントの90%が新しく設計された991型は、アルミニウムとスチールの革新的な複合素材で作られた軽量ボディによって、911史上初めて先代より軽いボディを実現したモデルとなった。さらに997型より100mm拡大したホイールベースが与えられたシャシーには、ロールスタビリゼーションシステム「PDCC(ポルシェ・ダイナミック・シャシー・コントロール)」を新たに採用し、ドライビングダイナミクスにおけるベンチマークとなった。
2012年の春に登場したカブリオレでは、ソフトトップの構造材にマグネシウムが用いられ、クローズド時はクーペに劣らない滑らかなルーフラインを描くことに成功した。同年末に登場したタルガでは、オリジナルのタルガと同様に、キャビン後部のパネルが大きく開閉するシステムを採用。ボタン操作で前席上部のルーフが後部パネル内に収納され、タルガ独特のスタイルが創出された。
2013年には911の生誕50周年を迎え、1963台の限定モデルが登場。2016年には500psの自然吸気エンジンを搭載する「911R」がリリースされ、1967年のレーシングスポーツモデルが公道承認を得た同名モデルがリバイバルされた。
2017年には「911カレラT」と、ツーリングパッケージを採用した「911GT3」というクラシックなスタイルを採用したふたつのモデルが設定された。
初代から累計100万台を達成したのも、この991型だった。100万台目の911は、初代911が最初に生産された個体と同様に、ボディをアイリッシュグリーンにペイントされ、ペピタシートを組み合わせた非売品の記念モデルとして製造された。そして2017年は、新たなインディビデュアル&カスタマイズ部門として発足した「ポルシェ・エクスクルーシブ・マニュファクチャー」による500台の限定車、「911ターボS」エクスクルーシブシリーズが登場した年でもあった。
最強・最速モデル「GT2 RS」の生産がはじまったのも2017年。レーシングシーンで培ったノウハウが惜しみなく注ぎ込まれ、3.8L水平対向6気筒ツインターボエンジンはタービンの大型化などによって700ps/750Nmを発揮し、2.8秒の0-100km/h加速、340km/hの最高速をマーク。
一方で911シリーズの頂点の一角に位置付けられるもう1台、「GT3 RS」には520psを引き出す4Lの自然吸気エンジンが搭載され、ロードリーガルなレーシングマシンとしての存在感の高さを改めて示した。
991型911の最後の作として生み出されたのが、ポルシェ・スポーツカーの誕生70周年を記念して造られた911スピードスター。2シーターのロードスタースタイルのボディに、510psを発する4L自然吸気エンジンと6速MTを搭載。911の56年にわたる歴史において、さらなるマイルストーンとなった。
2011年から生産された991型911は23万3540台が生産され、最も成功した911となった。
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