【サーキット試乗】「ルノー メガーヌRSトロフィー」受け継がれる最速のDNA

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“ニュルFF最速”の座をめぐり、シビック・タイプRと熾烈な戦いを繰り広げるメガーヌRSにトロフィーが追加! すでに本国ではレコードホルダーであるトロフィーRも発表済みだが、今回から限定車ではなくカタログモデルに昇格した最新のRSトロフィー、その実力はいかに?

サーキットではむしろしなやかなシャシーカップ

その真価を実感するという意味において、RSトロフィーは走らせる環境を選ぶクルマだ。具体的にはある程度整ったサーフェスの道路と中速以上のコーナーがあり、ライン取りの自由度が高い場所で操ると美点の数々を鮮やかに描き出してくれる。つまり最適な環境とはサーキットになるわけだ。

写真はインに寄りすぎた状態だが、コーナーではラインを選ぶ自由度が高いので立ち上がりで「辻褄を合わせる」ことも容易だ。

まずは、ノーマルRSとの違いを簡単におさらいしよう。搭載する1.8Lターボはパワーが21ps、トルクはDCT仕様同士の比較で30Nm向上。メガーヌRS史上もっともパワフルという、300psと420Nmを発揮する。また組み合わせるターボチャージャーは、セラミックボールベアリング式を採用。ノーマルのスチールボールベアリングに対しフリクションが1/3に低減され、レスポンスが向上している。さらに、排気系にはアクティブバルブ付きスポーツエキゾーストを搭載。日常域ではロードカーらしい静粛性を確保する一方、積極的に走らせる場面では排気抵抗の低減とスポーティなエンジンサウンドを獲得している。なお、ギアボックスはDCTのみとなるノーマルに対しトロフィーではMTが選べることもマニアには朗報といえそうだ。

エクステリアは、レッドのアクセントが入ったホイールのほかにインテークブレードもロゴ入りのトロフィー専用デザインになる。

一方、シャシー回りは今年発売された限定車のRSカップと同じ。サスペンションはスポーツ性重視の“シャシーカップ”となりスプリングレートは前後で23%と35%、スタビライザーが7%、ダンパーは25%ノーマルよりハードに。サブダンパーの4HCCも、フロントのバンプストッパーが10mm長くなりスプリングレートを上げた場合と同等の効能を発揮する。また、ノーマルが電制LSDなのに対しトロフィーではトルセンLSDを搭載(トルクレシオは2.6対1)。スポーツモデルらしいトラクション性能を確保するほか、フロントブレーキにはアルミと鋳鉄のコンビとなるディスクを採用。軽量化と冷却性能を向上させるなど、実戦的仕立てになる。

インテークブレードもロゴ入りのトロフィー専用デザイン。

フォト=勝村大輔/D.Katsumura ル・ボラン2020年1月号より転載

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