メルセデス・ベンツがマイバッハの防弾仕様を発売

田畑修
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S650をベースに防弾性能や緊急時のガード性能を高め、 最後まで乗員を守る

1928年以来、約90年にわたって作り続けられてきたメルセデス・ベンツの防弾仕様車に新たなモデルが加わった。マイバッハSクラスのS650をベースとした新モデルには「S650ガード」の名が付けられ、今までと同じく世界最強ともいえる防弾、防爆機能を装備。ドイツの防弾性能規格「VR10」と、爆発物に対する保護性能規格「ERV2010」の要件も満たしている。

既存の車両に後付けするのではなく、生産プロセスから補強を組み込むことで、強靭な車両を生み出した。

このメルセデスのガード仕様車は完成車を改造するのではなく、生産段階からドア、ボディ外板、ルーフ、ファイアウォールなどに防御機能を組み込んで製作。その製作プロセスにおいて専門家のチェックを受け、弱点を修正しながらより完璧な仕様が設計されていくという。特殊合金の補強材をボディシェルと外板の間にインストールし、防弾ガラスは内面をポリカーボネートでコーティングし、割れた際の破片の飛散を防ぐ構造となっている。アンダーボディも強化され、爆弾攻撃にも備えている。
一方で室内はそうした装甲を感じさせない仕上がりで、ラグジャリーな雰囲気と最高の居住性はマイバッハS650そのもの。加えて万一の場合の消火システム、煙やガス侵入時に新鮮な空気を供給するシステム、外部通信システムなどを完備し、最後まで乗員を守る構造となっている。重量は公表されていないが相当の重さとなるはずで、それでもメルセデスならではのハンドリングや走行性能も確保されているという。なかなか日本ではお目にかかれない仕様だが、いまだテロなどが絶えない情勢だけに、今後も需要が減ることはないのかもしれない。

ル・ボラン2020年1月号より転載

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