トップのフォルクスワーゲンはわずかに減少となり、BMWは増加。 ボルボは好調を保つ
欧州の自動車メーカーの世界販売が伸び悩んでいる。2019年も4分の3が過ぎて1-9月の販売台数が出揃ったが、販売台数トップのフォルクスワーゲン(VW)・グループは前年同期比1.5%減の800万5300台となり、現時点ではトヨタ自動車グループ(ダイハツ工業、日野自動車含む)の805万6884台に抜かれて、世界トップ維持に黄信号がともっている。
ダイムラー・グループもマイナスは回避したものの横ばいで、PSAグループ、ルノー・グループ、FCAグループは6-11%減と大幅に減少。大手では唯一BMWが1.7%増と増加傾向を保ち、台数は少ないがボルボ・カーズも7.4%増と好調を保持。2018年のこの時期を振り返ると、ここにあげた欧州7グループはすべて前年同期比プラスで、 PSAとボルボは2ケタ増となっていたことを思うと、様変わりした印象だ。
この減速の要因はさまざまだが、巨大マーケットである中国と米国(北米)の販売減が響いている。VWは中国、米国ともに減少し、欧州は好調ながら全体の落ち込みはカバーしきれなかったようだ。PSAも中国の落ち込みの影響が大きく、欧州でも微減となっている。 PSA内ではプジョーやシトロエンがマイナスだったのに対し、 DSが頑張っているのが救いだが、欧州での販売増に貢献してきたオペル/ヴォクソールがここにきて減少しているのが気になる。
一方でダイムラーはメルセデス・ベンツ乗用車やダイムラートラックはマイナスだったものの、商用車部門のメルセデス・ベンツバンが頑張ってプラスを維持している。BMWは他社の落ち込みを尻目に中国での販売が14.4%増と大きく伸びており、米国も0.4%増と微増ながらマイナスは回避。欧州全体では0.8%減と微減ながら地元ドイツではSUVや新型3シリーズの好調で3.6%増と伸びている。ボルボは伸び率がやや鈍化したものの早くも50万台を超えており、今年も過去最高を更新する勢いだ。
別項にもある通り、ここにきてPSAとFCAの経営統合が伝えられているが、この9カ月間の販売減がひとつの契機となった可能性もある。残り3カ月分が加わる年間セールスでは各社どういった数字が出てくるのか。目が離せない状況が続きそうだ。
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