日曜のレース2は波乱の展開に
不安定な天候のまま迎えた翌日曜日のレース2予選もコースはセミウェット状態。ここでファステストを記録したのが、今季限りでドライバーを引退する中嶋大祐のモチュール無限NSXだが、フリー走行時の大破でマシンを入れ替えていたため5グリッド降格となり、前日に出走できなかったアウディのロイック・デュバルがポールポジションに昇格。続く2番手にナイレン・カーケティケヤン、3番手に山本尚貴、4番手にレネ・ラストとNSXとアウディRS 5が上位グループを独占していた。
午後のレース2はロイック・デュバルが先頭でスタート。上位グループでNSXとRS 5とが激しい攻防戦を繰り広げる間に、BMWのマルコ・ヴィットマンと小林可夢偉がレクサスとGT-Rを押さえて上位戦線に加わっていく。そしてレース中盤に差し掛かると、アウディのデュバルとラストの左リアタイヤが立て続けにバーストしてパーツが脱落。2度のセーフティカー導入とリスタートが行われ、試合巧者のマルコ・ヴィットマンと小林可夢偉はさらにポジションを上げていった。
2度目のリスタートで集団が形成されたからか、100Rコーナーの手前でケイヒンの塚越とARTAの野尻がNSX同士で接触、その後も13コーナー付近でGT-Rとレクサスの主力数台が絡む多重クラッシュが発生したため、3度目のセーフティカーが導入されたまま規定の55分が経過した。しかし選手権ではないドリームレースということか、ラスト1ラップを前にSC解除となってリスタートが切られた。
先頭のカーケティケヤンは猛ダッシュでポジションをキープしてそのままフィニッシュ。リスタートごとにポジションアップしてきたBMWのマルコ・ヴィットマンが2番手となるが、先のバーストでニュータイヤを履いているアウディのロイック・デュバルが猛然と迫り来る。いよいよダンロップコーナーから先は、接触上等のサイドバイサイドで激しくラインをクロスさせる。そして最終局面までもつれたDTMの2台は、最終コーナーで押し出されたデュバルが勢いを殺さずコース外からヴィットマンの前に入ってフィニッシュとなった。
エキジビションとはいえSUPER GT初勝利のカーケティケヤンがミッドシップNSXで有終の美を飾る。そして、最終ラップのバトルでデュバルに1秒のペナルティが課せられたため、BMWのマルコ・ヴィットマンが逆転で2位に。マルコにとっては初の富士スピードウェイで、しかも自身30歳の誕生日に嬉しい表彰台となった。
10月のホッケンハイムに続き、期待通り見応えたっぷりとなった日独交流戦。来シーズンからはSUPER GT500クラスに統一規定が適用されることとなるが、ドリームレースの予定は未定とのこと。シーズンオフの間に日独両協会による協議が続けられるはずだが、この優れたエンタテインメイントがこの限りにならないことを強く願っている。
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