徹底的に性能追求した美しきスポーツホイール「ボルク レーシング G025」【ホイールカタログ2019秋】

小野泰治
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鍛造製スポーツホイールの最高峰ブランドであるボルクレーシング。同ブランドから登場したG025はG16とは一線を画すデザインでその中身には最新のエンジニアリングが詰め込まれている。

デザイン重視ではなく機能面も一切の妥協なし

ボルクレーシングといえば、レイズのラインナップではレーシング直系となるスポーツホイールの最高峰。それだけに、既存のモデルはもっぱら研ぎ澄まされた機能美をストレートに表現するものが主流だったが、近年は「見せる」要素も充実している。実際、以前リポートした「G16」はスポークとリムを柔らかなラインで紡ぐことで優美さを演出。シンプルなラフメッシュながら、独自のキャラクターを創出していた。

ホワイトのボディにマットガンブラックのG025という組み合わせは、精悍かつスポーティなテイストを表現。カラーはこのほかにフォーミュラシルバーが用意される。

そんなGシリーズの最新作となる「G025」も、デザイン性の高さが光るモデルだ。ディスク面の基本デザインは2×5の10スポークだが、最初に目を引くのはボルトホールの位置。通常、スポークデザインではボルトホールをスポーク間にレイアウトするものだが、G025では2本ずつ束ねたスポークの中心に置き、さらに周辺を深くえぐっている。その結果、この種のデザインで必須といえるスポークの長さアピールしつつも独自の表情を作り出すことに成功した。また、ボルトホールの横と2本のスポークの根本には肉抜きのウェイトレスホールを配置。立体感を演出するとともに、必然的にボリュームが大きくなるハブ部分に軽快感が与えられた。また、2本ずつ隣り合うスポークの側面は単純な曲面ではなく途中で曲率が変わる形状を採用。見る角度によっても表情が微妙に変化する凝った造形になっている。

鍛造1ピースモデルながら、サイズに応じて4種類ものフェイスデザインを揃える贅沢さはレイズならでは。今回の3シリーズとの組み合わせでは「フェイス3」が使われる。

とはいえボルクレーシングの一員であるだけに、G025はいわゆるデザインホイールでは決してない。そこにはモータースポーツで長年培われてきたレイズのテクノロジーが惜しみなく投入されているのだ。まず、一番細い部分でわずか5.5mmというスポークの厚みはボルクレーシングの中では一番スリムだというが、それでも高性能車の大きな入力に対して十二分な強度、剛性が確保されているのは高度な解析技術と鍛造製法があればこそ。レイズいわく、従来技術でデザインすると最低でも6.5mmの厚みが必要だったと聞けば、このモデルがいかに機能面でも“攻めた”デザインであるかがおわかりいだだけるだろう。

ボルトホール周辺の大胆な形状は、切削加工ではなく金型によって成形されたもの。デザイン性が光るモデルだが、5軸マシニング加工機を駆使したウェイトレスホールなど、そこにはレイズの最先端技術が投入されている。リムのマシニング文字も高級感を演出。

先のウェイトレスホールも、実はただ空けてあるわけではない。たとえば、スポーク間に穿たれた縦方向のホールはわざわざスポーク断面とは逆台形の形状が採用されているが、これはレイズが特許を持つ5軸マシニング加工機だからこそ可能になったものなのだとか。ちなみにG16と同様、スポークとリムを結ぶラインはシャープさを損なわない範囲で穏やかなRを描いているが、これも局部的に入力を集中させないモータースポーツ用ホイールで培った技術の応用。つまり、デザイン性を意識したG025だが、機能面も一切の妥協がないわけだ。

今回は、そんなG025を3Dデザインのエアロパーツを纏った3シリーズに装着してみたのだが、マッチングはご覧の通り。サイズはフロントが8.5J×19、リアは9J×19となるが、4種類もあるフェイスデザインを使い分けるレイズお得意の製法によってリムからハブに至るコンケーブ度合いは十二分。持ち前の立体的な造形が一層際立っていた。なお、今回のサンプルはカラーが精悍なマットガンブラックだったが、別カラーのフォーミュラシルバーをセレクトすれば、また異なるテイストが楽しめるだろう。

フォト=宮越孝政/T.Miyakoshi ル・ボラン2019年12月号より転載

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