ついに8世代目「ゴルフ」の全貌が公開された!「VOLKSWAGEN New GOLF」

EV化が進むとはいえ「小さな巨人」の成功は今回も約束されたもの

ところで、30ページにも及ぶプレス資料にはシャシー系に関する記述はなかったが、下回りを覗いてみると、ゴルフVIIIのサスペンションは基本的には先代と同じフロントがストラット、リアがマルチリンクという構成。ただし、ホイールベースが16mm延長され、車重が最大で50kgも軽量化されていることから、乗り心地はさらに改善されているに違いない。また4WDシステムは4モーションに加えてmHEVplusと呼ぶ簡易型スタンバイ4WDも用意。これはリアアクスルに16-20kW程度の電気モーターをフランジして、駐車時に駆動させるシステムだ。

ゴルフのアイコンであるロングルーフと太いCピラーは継承。前面投影面積は2.21m2、Cd値は0.275と空力特性にも優れる。

ドライバーアシストは、IQ.Driveと呼ばれるシステムが標準搭載される。それにはレーンキープアシスト、市街地緊急ブレーキを含むフロントアシストなどが含まれ、さらにオプションでACCも用意。注目は、このACCにVWとして初めてCar2X機能が加わったこと。これはEUで標準化されているCar2Xの基準(WiFi p/ITSG5)を利用して、車両の800m以内に発生している現象をキャッチ。たとえば渋滞の最後尾や道路工事、さらには救急車の接近などをナビゲーションにリアルタイムで表示し、これらの情報によりドライバーは事前に正しい判断を下し、事故を未然に回避できる。

水平基調で低いダッシュボード、操作系をタッチスクリーンに集約したコクピット回り。シンプルでクリーンなグッドデザインだ。

さて、このように文字どおりの正常進化を遂げたゴルフVIIIだが、今後はこれまでになかったライバルを相手にしなければならない。それは同ブランド初のピュアEVとなるID.3だ。VWディーラーに2台が並んだ時、はたしてカスタマーはどちらを選択するだろうか。とても興味深い。

実際に前後シートに収まってみた印象でいうと、居住性は先代とほぼ変わりはない。日常での使用に何ら不満を覚えることはないはずだ。

ドライバー正面に10.25インチのデジタルコクピット、センターに8.25インチのタッチスクリーンを配置。ライトスイッチもデジタル化されている。

DSGのシフトレバーがコンパクトなスイッチに変更されたのもニュース。これによりセンターコンソールはきわめてシンプルな造形に。

ラゲッジルーム容量については未公表だが、相変わらずスクエアな内部形状で使い勝手はよさそう。後席は6:4の分割可倒式。

スライディングルーフはオプション設定。なお、巧みなコストセーブもVIIIの特長で、たとえばボンネットの内張りやダンパーはVIIIを機に廃止されている。

フォト=フォルクスワーゲンAG/Volkswagen AG ル・ボラン2019年12月号より転載

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