フェラーリ208ターボ/ リアタイア前にあるNACAダクトがターボモデルの証【自動車型録美術館】第34回

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FERRARI 208 TURBO/フェラーリ208ターボ

ここのところイタリア車続きで恐縮です。今回はフェラーリのなかで少しだけ庶民的な香りのする208シリーズをとりあげます。

庶民派フェラーリ

フェラーリが庶民的とは決して思わないのですが、208の誕生には経済的な理由が影響しています。そもそも日本とイタリアには似たようなところがあり、自動車税制も2000cc以下と2000cc超では異なっていたようです。2000cc以下に適用される自動車税と保険料の為に生れたのが2リッターのV8を搭載した208シリーズです。このような理由で生まれたフェラーリというだけで、少しだけ親近感を覚えてしまいます。

フェラーリ初のターボ

当初はNAの2リッター・エンジンだけだった208ですが、さすがに非力なのは否めなかったらしく、ユーザーからの突き上げも激しかったようです。そこでフェラーリはターボを追加することにします。これは、少なくともフェラーリの市販車としては初となるターボチャージャの採用ではないかと思います。残念ながら、日本に208シリーズが正規輸入されることはありませんでした。

208ターボの外観的特徴

308GTBと208ターボの外観の差異はごくわずかです。そのなかで最も目につくのは、ボディサイドの中央付近に走る水平の見切り線の下側、リアタイア直前にあるNACAダクトでしょう。このNACAダクトはフェラーリにおけるターボの後継車たる288GTOエヴォルツィオーネやF40にも継承されています。

カタログサイズ

歴代フェラーリのカタログのなかでは、この308系と208系のカタログが最も大判なもののひとつだと思います。338mm×238mmというサイズで16ページ。前々回にとりあげたイタリアの大衆車フィアット126を思い出してみてください。126のカタログは330mm×240mmと、大判のフェラーリに遜色ない大きさで、しかもフェラーリが16ページであるのに対し126は24ページです。ちなみに先月とりあげたアルファロメオのGTAは220mm × 278mmという一般的なサイズでした。いかに126のカタログが大衆車としては例外的に大きく立派なカタログか、これらの数値からも明らかな気がします。

日本の路上でフェラーリを見かけるようになったのは、この308/208系からではないでしょうか。わたし個人の経験ですが、それ以前は、赤のデイトナが横浜元町によく駐車していたのと、青のデイトナを世田谷の路上で見かけたことがあるくらいでした。町で時折遭遇するようになった8気筒のフェラーリには、ほとんど見かけることのない12気筒のモデルとは違って、少しだけ親近感をいだいたものです。本稿では、近く308のカタログも紹介する予定です。

●サイズ(縦×横)338mm×238mm ●全16ページ

 

Text:板谷熊太郎 /Kumataro ITAYA カー・マガジン486号(2018年12月号)より転載

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2019/11/21 09:00

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