フロントフードの下には30L分の収納スペースを確保
ボルボ・カーズはこのほど、10月16日に発表を予定している「XC40」のピュアEV仕様のデザインスケッチを公開した。
ボルボのモデルラインアップ初となるピュアEVは、SUVの「XC40」に設定される。スタリングの基本は現在発売されているエンジン車のXC40を踏襲しているものの、内燃機関を搭載しないことから、一部ディテールは専用になるようだ。
フロントグリルはクローズド構造とされ、ボディ同色にペイント。フロントマスクに独特の視覚的特徴を生み出す。これはもちろん、電気自動車ゆえにエンジン冷却のための空気循環の必要性が減ったことで可能となったものだ。なお、このグリルには先進運転支援システム(ADAS)用のセンサーが統合されている。
ボディカラーには、新規オプションカラーのセージグリーンメタリックを含む8色をラインアップ。ルーフをブラックとした2トーンボディが標準になる。ホイールサイズは19インチまたは20インチがオプション設定される。
内燃機関を積むよりスペースを取らなくなったため、EV仕様のフロントフード下には、30L分の収納スペースが設けられた。ちなみに、同社ではこの「フロント・トランク・ルーム」を「フランク」と呼んでいる。
室内では、電気自動車専用に刷新されたドライバーインターフェイスを搭載。バッテリー状況などの重要な情報をドライバーにわかりやすく表示する。このほか、多彩な収納スペースを確保しているのはエンジン車のXC40と変わらない。
EV技術に関しては、2016年に公開された「コンセプト40.1」にもとづく。XC40の開発当初から電気自動車の設定も念頭に置かれた「CMA(コンパクト・モジュラー・アーキテクチャー)」を採用。バッテリーパックはキャビンスペースに影響をおよぼさないよう、アンダーフロアに搭載される。
一方で、このEV仕様のXC40は、ボルボの伝統に則った最も安全な自動車の一台になるとのこと。ボルボ・カーズの安全担当責任者であるマリン・エークホルムは次のようなコメントを発表している。
「自動車を駆動する装置が電気モーターであろうと内燃機関であろうと、ボルボの自動車は安全でなければなりません。完全電動化されたXC40は、これまでに私たちが製造したなかで最も安全な自動車の一台となります。安全性に関する基本的な考え方は、このモデルも他のボルボ車も同じです。車内には乗員がいるので、クルマが乗員にとって安全であるよう設計する必要があります」
オリジナルのXC40の優れた安全基準に基づいて、ボルボ・カーズのセーフティエンジニアは安全性に対する高い要件を満たす必要がある。そしてエンジンを搭載しない状態でも、他のボルボ車と同じように乗員の安全を確保するため、フロント部分の構造を完全に再設計し、強化している。
万一の衝突の際には、乗員の安全を確保し、バッテリーの損傷を防ぐ必要がある。そのため同社はXC40の乗員とバッテリーの両方を守るべく、新たに独自の安全構造を開発した。バッテリーは押し出し加工されたアルミニウム製フレームで構成されるセーフティケージで保護され、ボディ構造の中央部に埋め込むことによって、バッテリー周囲のクランプルゾーン(衝撃吸収帯)として形成している。アンダーフロアにバッテリーを搭載すると重心が下がり、横転しにくくなるという利点もある。さらに、フロント部分だけでなくリヤのボディ構造も強化。電動パワートレインが車体構造に統合することによって、衝突の衝撃をできるだけ分散させてキャビンから遠ざけ、車内の乗員への万一の衝撃を軽減する。
バッテリー駆動式のXC40はさらに、アクティブセーフティシステムに関する新技術も導入している。XC40には、ボルボ車では初めて、ボルボ・カーズとVeoneer社が所有する合弁会社のZenuityが開発したソフトウェアと新しいアドバンスド・ドライバー・アシスタンス・システム(ADAS)センサープラットフォームを採用している。この新しいADASプラットフォームは、複数のレーダー、カメラ、超音波センサーで構成される最新の拡張可能なアクティブセーフティシステム。その拡張性によってさらなる技術開発も容易となり、将来の自動運転技術の導入に関する基礎を築くことにもつながる。
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