【国内試乗】「ルノー・トゥインゴ」細やかなパリ流アップデート

小野泰治
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2019/10/06 12:00

「パリが仕立てたコンパクトカー」と銘打つトゥインゴが初マイナーチェンジを敢行。その内外装は従来型の魅力を受け継ぎつつ、細部を最新モードにアップデート。さらに、実用的にして個性派というキャラクターには一層の磨きがかけられていた。

内外装は少しオトナなテイストをプラス!

上陸以来、日本ではフランス生まれであることをアピールする狙いから、パリとの繋がりが強調されてきた現行トゥインゴ。実際、そのキャラクターは合理性が優先されるコンパクトカーの中にあってもエッジが立っていて、多くの人に「パリが仕立てた」という主張を実感させる出来映え。さらに、ボディ形態が先代までの3ドアから使い勝手の良い5ドアとなったことで多様なニーズに対応。かつてはニッチの典型だったが、いまや日本ではカングーと並ぶルノーの主力車種に成長している。

ボディカラーは写真の新色「ジョン・マンゴー」をはじめ5色を用意。

そんなトゥインゴに初のアップデートが施された。まず、外観は前後バンパーのデザインを変更。それにともない全長は従来型から25mmの拡大となる3645mmに伸びたが、見ため上で印象深いのはフロントの面持ちが適度に大人びたこと。この改良版では、ヘッドライト下のポジションランプが消失。持ち前の柔和さこそ変わらないが、従来よりスッキリした意匠に仕上げられた。また、フロントについては左右にスリットを新設。取り入れた空気がホイールハウスに抜けるようにしたことで、空気抵抗も低減されている。

室内はスマホともリンクできる7インチのタッチパネルを新採用、センターコンソールのデザインも変更された。細かなところでは、シフトノブも新意匠になっている。

それを一層際立たせ、なおかつさりげなく新しさを演出するのがライト類だ。前後ユニットには、最新ルノーを象徴するCシェイプLEDランプを採用。バンパーと同じく、全体の印象を大きく変えるほどではないが外観に引き締まった印象を与えることに成功している。ベーシックカーということでヘッドライト自体がハロゲンのままなのはご愛嬌だが、視認性の高いLEDをポジションライトやウインカーに採用したことは安全面でも朗報といえる。

荷室下には、49度傾斜させた0.9Lターボユニットが収まる。

その他、細かい部分では前述の変更に合わせてサイドストライプをドット柄にしたほか15インチのホイールも意匠をリニューアル。また、スポーティなGT(こちらは従来型が現役を続行中)にならい左リアにエアインテークが装備されたことも、RR駆動の独自性を演出する意味では有効なアップデートといえそうだ。
一方、ホワイト系の明るい色調でまとめられたインテリアでは新採用となる7インチタッチパネルが目を引く。当然スマホとの連携が可能で、タッチパネルから各種機能にアクセスできるほか音声による操作もできる。接続はブルートゥースだけでなく、新デザインのセンターコンソールに追加された2つのUSBポートからも可能、という具合に細部の使い勝手もしっかり煮詰められた。

同時期に登場した限定車の「ルコックスポルティフ」はレザー調×ファブリックのコンビ表皮を使うが標準車のシートはファブリックのみ。

走りに関わる部分は、車線逸脱警報とタイヤ空気圧警報が装備された以外に公式なアナウンスはない。パワートレインは、0.9Lの3気筒ターボ+6速DCTの組み合わせで、従来型と比較すると参考値というパワーが2ps上がっている程度。車重は従来型の上級グレードであるインテンス比で10kg増加したが、動力性能は相変わらず必要にして十分というところだ。以前試乗した印象からすると、試乗車はDCTの制御やアクセル操作に対するレスポンスが多少だがマイルドになった感がある。その結果、たとえば低速で這い回るような場面では扱いやすさが向上する一方、コンパクトカーらしい歯切れの良い感覚は少しだけ薄まった。とはいえ、本来の役どころを思えば試乗車の味付けが正解であることは明らかだろう。

荷室容量は174〜980Lを確保。

もちろん、クルクルと良く回る取り回しのしやすさやフランス車というイメージに違わない快適なライド感、そして積極的に走らせた際に垣間見せるRR駆動らしい、というか少しマニアックな操縦性も健在。実用車でありながら決して退屈ではない味付けは〝パリ〟を強調せずとも誰にでも伝わるはず。その意味では、食わず嫌いにも改めてオススメしたい1台だ。

フォト=勝村大輔/D.Katsumura ル・ボラン2019年11月号より転載

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