「トヨタ・MIRAI」はモビリティの新しい幕開けを告げる水素と酸素による自家発電車【世界の傑作車スケルトン図解】#30-1

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CO2はまったくゼロ

水を電気分解すると、水素と酸素が出る。それなら、水素と酸素を出会わせれば、電力を取り出せる。その電力でモーターを回せばクルマは走る。 排出されるのは水だけ。CO2はまったくゼロ。石油への全面依存から抜け出す水素社会の尖兵として静かに走りだした燃料電池車、その名は「ミライ」。

トヨタMIRAI

1:パワーコントロールユニット:あらゆる運転状況下でFCスタックの出力と駆動用バッテリーの放充電を最適に制御するための装置
2:交流同期モーター:FCスタックで作り出した電気と駆動用バッテリーからの電気で駆動するモーター。レクサスRX400hのモーターがベースで、燃料電池に適合するようにやや出力が絞られており、最高出力154ps/最大トルク34.2kg-mを出力
3:FC昇圧コンバーター:昇圧コンバーターとは、入力電圧よりも高い電圧で出力を得るための装置。ミライではFCスタックの電圧を650Vに昇圧する、小型・高効率の大容量コンバーターを新開発
4:燃料電池(FC)スタック:これがトヨタ初の量産型燃料電池の本体。固体高分子膜を電極で挟んだ複数のセル(電池の最低単位)を積み重ねたものなのでスタックと呼ばれる。小型化と世界トップレベルの出力密度を実現。体積出力密度3.1kW/L、最大出力155ps
5:水素充填口:充填作業は水素ステーションの専門スタッフが注入。一回あたり水素充填時間は3分程度で、一充填走行距離(参考値)は約650km
6:高圧水素タンク:燃料となる水素を蓄えるタンクは、約700気圧の高圧に耐える複合素材製。ガラス繊維強化プラスチック層(表面保護)、炭素繊維強化プラスチック層(耐圧強度を確保)、プラスチックライナー(水素を封じ込める)から成る。前方60L、後方62.4Lの大小2個の組み合わせで、世界トップレベルのタンク貯蔵性能を達成
7:駆動用バッテリー:燃料電池を補助する駆動用バッテリーは、手堅い信頼性で低コストなニッケル水素。減速時に回収したエネルギーを貯蔵し、加速時にはFCスタックの 出力をアシストする

TOYOTA MIRAI

■生産年:2014年~
■登録台数:326台(2015年8月まで)
■国籍:日本

Specification/TOYOTA MIRAI
■全長×全幅×全高=4890×1815×1535mm
■ホイールベース=2780mm
■車両重量=1850kg
■燃料電池スタック=固体高分子形/最高出力155ps(114kW)
■高圧水素タンク=本数2本/貯蔵性能5.7wt%
■タンク内容積=122.4L(前方60.0L/後方62.4L)
■モーター=交流同期電動機
■モーター最高出力=154ps(113kW)
■モーター最大トルク=34.2kg-m(335Nm)
■駆動用バッテリー=ニッケル水素
■サスペンション形式=前 ストラット、後 トーションビーム
■ブレーキ=前 ベンチレーテッドディスク、後 ディスク
■タイヤサイズ=215/55R17

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