【海外試乗】「MAZDA CX-30」激戦のコンパクトSUV市場に満を持して投入!

CX-30は大ヒットの予感も濃厚なニューカマーだ

また、サスペンションをはじめとした可動部分のフリクションが少なく感じられ、すべての動きが素直なのも乗り味の印象を良くしている。これは先代のアクセラではフロントがストラット、リアがマルチリンクだったサスペンションを、新世代ではあえてリアをトーションビームとしていることも効いているようだ。先代のほうがスペック的には有利に思え、たしかに部分的に性能が上回ることもあるそうだが、前後の動きのバランスとしては新世代のほうがとりやすいのだという。路面から大きな入力を受けてボディが上下動したとしても、前後が同じように動くから、乗員が無用に揺さぶられることなく快適に感じられるのだ。

後席はヒップポイントを下げてヘッドルームを確保、ゆとりある居住性を実現している。

だからCX-30はドイツ車のようにビシッと安定感を強調するのではなく、あくまで素直で自然な動きながら実に快適。アウトバーンの超高速走行でも、リラックスして走れてしまうほどの実力の持ち主なのだ。いまのマツダは“人間中心”をクルマ造りの要としているが、それはたとえば骨盤を立てた状態になるシートなどに表れている。ドライバーが自然と身体のバランスを取りやすくなり、運転能力を引き出すことに繋がるのだ。そういったことも相まって、CX-30を走らせていると、無意識のうちに上手に運転でき、人馬一体感を高めてくれることになる。滑らかで静か、なおかつ自然と思い通りに走らせられることに“いいクルマ”だと実感するのだ。

デザインとパッケージ、そしてプレミアム感を大いに増した乗り味はCX-30最大の武器。大ヒットの予感も濃厚なニューカマーだ。

荷室容量は430Lとクラスの標準レベルを確保。開口部を広く低く設定し利便性にも配慮している。パワーリフトゲートも採用。

フォト:マツダ/MAZDA ル・ボラン2019年9月号より転載

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