毎月編集部員がこれは!と思った趣味グルマを紹介する“100万円でドロ沼に陥る!?”。今回は、結構な台数が現存しそうで、実はレアなプジョー104を取り上げます。“1”マルマルシリーズの元祖に乗るなら、これが最初で最後のチャンス!?
プジョー104とは?
プジョー104は、’72年のパリ・サロンでデビューし’88年にモデルライフを終えるまでに160万台以上が生産されている。モデル名が3桁であることはプジョーの慣例だが、意外にも“1”を頭に冠したのは104が初。4ドア2ボックスのベルリーヌ、2ドアのクーペ、フルゴネットがラインナップされていた。
プジョー・スタンダードの決定版
今回の100ドロ・コーナーで取り上げるのは、鮮やかなオーシャンブルーをまとったプジョー104。なんとなく見たことあるような……と既視感を覚えるが、実は当時のインポーターによって正規輸入されることはなかった、“超”が付くほどのレアモデルだ。
デザインはピニンファリーナが担当しており、外観はプレーンながらメッキパーツが効果的に組み合わせられている。
とはいえプジョー104は、’72年のパリ・サロンでデビューし’88年までの間に、160万台以上が生産されたロングライフ、かつベストセラーモデルなのだ。ちなみに、近年例外はあるものの、プジョーが3桁でモデル名を表記することはご存じの通りだが、現在も続く“1”を頭に冠したモデルの系譜は、この104から始まっている。
ホイールはキャップ付きの3穴タイプ。タイヤサイズは135/80R13。現在でも入手可能なサイズだ。
ルノー・サンクの様に、フランスのベーシックモデルは今も人気だが、104は非常に少ない。それは何故か? 取材に協力いただいたアウトレーヴさんによると、前述のように正規輸入されなかったこと。そして実用車として“ガンガン”乗られているため、日本で販売できる状態まで仕上げると費用がかさむことが挙げられた。「きれいなクルマ」と言われて確認したが、“キレイ”の基準の相違に悩まされたことが何度もあるのだとか。
まるで水平対向エンジンのようなエンジン高だが、搭載されるのは排気量954ccの直列4気筒SOHCユニットだ。72度エンジンを後方に傾斜して搭載することで全高を下げ、空いたスペースにはスペアタイヤを収める。
Text:中本健二/Kenji NAKAMOTO Photo:前田恵介/Keisuke MAEDA カー・マガジン455号(2016年5月号)より転載