車名の頭に初めて“1”を冠した超レアモデル・プジョー104【旧車ビギナーは要注意!100万円でドロ沼に陥る!?】

新車当時のビニールが残っているリアシート

そんな経験を踏まえて仕入れられた取材車は、極上とは言えないまでも、年式を考えれば丁寧に乗られてきたことを感じられる。その印象は、内装を実際に見ることができれば共感できるはずだ。

一度座ると、それだけで購入を決意したくなるほど快適なシート。それは前席だけでなく、後席にも当てはまる。なんと後席には新車当時のビニールが残っており、残すも剥がすも新たなオーナー次第という特典付きだ。

車格とは不釣り合いな程、ふっかりとした大振りのシートは良好なコンディションを維持し、今でも、背中、腰、そして太ももまでを柔らかく包み込んでくれる。リアにも立派なシートが装着されているが、なんとこちらには新車当時のビニールが残っている。こんな104は、世界中を探してもお目にかかることは出来ないだろう。

インストゥルメントパネル周りは必要最小限の構成ゆえに、メーターの視認性、使い勝手は抜群。トランクは独立タイプでスペースは意外なほど広い。

輸送費や整備費、さらに新規車検など考えると、高額車両ならいざ知らず、ベーシックな104の場合、商売ベースでの仕入れが難しいことは、国内現存数の少なさが如実に物語っている。それにもかかわらず、アウトレーヴが輸入した決め手は「気になるクルマで、いつかは仕入れたかったから」とのこと。類は友を呼ぶ、ではないが、アウトレーヴの心意気に応えるオーナーの登場に期待したい。

フロントマスクにデーンと構えて目を引くエンブレムや、テールのレンズの周縁部分にはひび割れや欠けているところがあるものの心配無用。パーツが手配できたそうで、納車時には交換される。嬉しいポイントだ。

1974 PEUGEOT 104

車両購入価格●1,680,000円

レア度 ★★★★★

らしさ満喫度 ★★★★★

ドロ沼度 ★★

クーラーや”自動”と名が付く快適装備は一切装着されていないが、それを受け入れつつ、喜びへと置換する方にこそオススメしたい。フランス車にミニマリズムを求め、プジョーの初代“1”を味わい尽くしたい方はぜひ!

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Text:中本健二/Kenji NAKAMOTO Photo:前田恵介/Keisuke MAEDA カー・マガジン455号(2016年5月号)より転載

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