タイヤの状態が良ければ実力は互角!? ライントレース性はともに秀逸
HONDA CIVIC HATCHBACK
●制動距離:56.8m(★★★★☆)
タイヤ溝がしっかりと残っているおかげで、安心してウェット旋回コースに進入することができた。ブレーキは直線での制動と変わりなく、旋回時もよく効き挙動は常に安定している。ただし、ステアリングの操舵感がやや重めで、ラインをトレースする際にフロントの斬れ味がもう少し欲しいと感じさせた。気になったのは、狙ったラインよりもフロントがやや外に逃げる点。軽快な動きをみせるライトウェイトなハッチバックというよりも、GTカー的な重厚感のあるスタビリティ重視の味付けになっている。ワインディングよりもドイツのアウトバーンを中心に、シャシー性能をセットアップしたのだろう。
RENAULT MEGANE GT
●制動距離:71.0m(★★★☆☆)
スリップサインが出てしまいそうな状態のリアタイヤが、走りにどのような影響を及ぼすのか。走行前から99%スピンするだろうと予想してテストに臨んだが、実際にはESCが即座に介入。リアの制動力を落として安定性を稼いでいた(合わせてリアステアも機能しているはずだ)。その副作用として制動距離が想定以上に伸びてしまったことが残念で仕方ない。ライントレース性は実に正確で、もしタイヤの山があればもっと短く停止できただろう。逆に、今回のテストにおいて、擦り減ったリアタイヤを履いていても、スピンだけは避けるメガーヌGTの素質の高さを再確認することができた。やはりタイヤのケアは欠かせない。