「BMW 1シリーズ」BMWのCセグメントカーがFF化を機に全面刷新

FRからFFへの転換で競争力の大幅アップを約束

ドライバーオリエンテッドなコクピット回りの造形は、「オペレーティング・システム7.0」の採用でさらに整理整頓された印象だ。

コクピット回りで注目は、ついにこのクラスに「オペレーティング・システム7.0」が搭載されたこと。すでに7シリーズや3シリーズなど上位モデルに搭載されているBMWの最新インフォテイメントシステムは、ドライバー正面の12.3インチインフォディスプレイとダッシュボード中央のコントロールディスプレイから構成され、音声入力で瞬時に起動。メルセデス・ベンツAクラスのMBUXに真っ向から対抗する構えだ。

BMWのFFプラットフォーム「UKL2」の採用により、後席居住性の向上は確実。
装備・仕様のトリムラインは、「ラクジュアリー」「スポーツ」そして「Mスポーツ」の3種類を用意。サスペンションは基本的に2シリーズと同じフロントがストラット、リアがマルチリンクという構成で、ARBと呼ばれる新開発のトラクションコントロールシステムにより、より素早いシャシー制御を行なうという。

トップモデルのM130i xDriveは導入当初からラインナップ。

発表当初のエンジンバリエーションは、ディーゼルがチューンの異なる2種類の2L4気筒ターボ。ガソリンはトップモデルのM130i xDrive用に、306psと450Nmの2L直噴4気筒ターボが用意される。ちなみに、日本仕様にはベーシックな118iと118d、そしてこのM130i xDriveという3モデルの導入が予定されている。

エンジンはハイチューン版の24気筒ターボで、306psと450Nmを発生。8速ATを組み合わせる。

従来型1シリーズ(F20/21)は全世界累計で132万7636台が販売されたが、BMWでは新型がこの記録を更新してみせるのは容易いだろうと楽観視している。逆にいえば、市場を見渡して、これまでの1シリーズはある意味でニッチモデルであり、すべての面で合理的にアップデートされたFFの新型は、市場導入前の調査においても一層ポピュラーな存在になるだろうと評価されているのだ。

リポート:木村好宏/Y.Kimura フォト:BMW AG ル・ボラン2019年7月号より転載

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