美しい国を、愛しいクルマで
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FILE.20 山梨県 富士パノラマライン 編
全国のヤナセから試乗車を借り、ドライブに出かける本企画。今回は、首都圏からアクセスの良い富士五湖周辺を巡る旅。訪れた3月中旬は、まだ冬化粧の富士山だったが、すでに山麓は春の息吹が感じられ、爽やかなドライブが楽しめた。ふらりと訪れても「富士山」「食」を満喫できるドライブコースを紹介しよう。
クルマをお借りしたヤナセ富士支店から国道139 号で本栖湖、精進湖へ。連休や週末の富士宮市付近は慢性的な渋滞が発生するので注意。西湖の手前の分岐点から山梨県道21号の「湖北ビューライン」で西湖と河口湖の北側を走り、河口湖大橋を渡って、再び国道139 号へ。そのまま138号へとつなぎ、県道730 号で山中湖パノラマ台を目指した。
富士山の麓を約半周する春のドライブコース
「こっちのシラスは大きくて美味しいですよ!」。クルマをお借りしたヤナセ 富士支店のスタッフからそんな話を聞き知り、それならばと、田子の浦漁港へ立ち寄り、腹ごしらえをしてから旅をスタートすることにした。しかしその日は、悔しくもシラス漁解禁の数日前。水揚げされたばかりのものにはありつけなかったが、4月に入れば、獲れたてのシラスを隣接する食堂でいただくことができるそうだ。
山梨県道707号が通る約500mの河口湖大橋。富士五湖の中では、唯一、湖上に掛かる橋梁。橋の上からの眺望はよく、周辺には宿泊施設も多いことから、朝の散歩で渡る人も多い。「日本の道100選」にも選ばれている。
今回旅したのは、静岡県側から国道139号と国道138号で富士山の周りを約半周するドライブコース。中でも本栖湖から山中湖までの山梨県内の道は、富士パノラマラインの愛称で呼ばれ、富士山を望みながらドライブできるのが最大の魅力。また、朝霧高原の野菜や牧場の乳製品、ほうとうや吉田うどん、そして山中湖の別荘地に多い地元食材を使った洋食店と、道すがら美味しいものと出会える。旅の楽しみは「富士山」「食」で決まりかと思いながらクルマを走らせたが、お借りしたメルセデスAMG E53 4MATIC+もまた魅力的だった。
田子の浦は大きな公園や漁港食堂などもあり、家族連れで楽しめるスポット。
直6エンジンに48Vの電装システム「ISG」を組み合わせたパワーユニットと、4輪駆動と後輪駆動の割合を電子制御でコントロールする「4MATIC+」の組み合わせは、じつに軽快なドライブを実現してくれた。
富士パノラマラインは、富士山を望みながらダイナミックなドライブが楽しめる。
タウンスピードで雪どけ後にありがちな荒れた路面を走った時などは、雑味をサスペンションが取り除いてくれるが、本栖湖と富士吉田の2車線区間などで強めにアクセルを踏み込めば、テンポのいいピックアップで高回転域へと引っぱり上げ、その強引さはまさにAMG的。この日常と非日常をシームレスにつないでくれるシャシー性能こそ、「53」最大の魅力なのだ。
富士パノラマラインからの眺望も素晴らしいが、西湖と河口湖をつなげるレイクサイドロード、湖北ビューラインへ回り道するのもオススメ。あまり観光化されていない西湖は静寂とした雰囲気で、河口湖周辺になると木々のトンネルが現れる。新緑や紅葉の季節になれば、ひと味もふた味も違ったドライブが楽しめるはずだ。
朝霧方面からの富士山。メインカットの山中湖方面から見る姿よりも山肌の荒々しさが際立ち、荘厳な富士山を見ることができる。
夕方、山中湖から三国峠へと抜ける県道730号のビューポイント「山中湖パノラマ台」に到着。眼下に山中湖が広がり、その向こう側には富士山と沈む夕日を望むことができる。
近年、富士五湖周辺には日本らしい風景を求め、海外からの観光客も増えているが、観光バスでは立ち寄ることのできないセクションに愛車で訪れ、その美しさを再確認するのもまた、旅の楽しさといえるだろう。