女性ドライバー専用のトレーニングプログラムも開催
アウディ ジャパンは3月19日、Audi Sport conference 2019を開催。2019年度のAudi Sport customer racing のチーム体制および、昨年に続いてアウディオーナーが実際のレースへの参戦権が得られるプログラム「Audi race experience」の概要を発表した。また新たに、女性ドライバー専用の運転トレーニングプログラム「Audi Women’s driving experience」を開催することをアナウンス。さらに、Audi Sportオーナーやファンに向けた「Audi ice experience」、「Audi Sport Owners Meeting」、「Audi Sport Days 2019」等、数々のイベントを行うとのことだ。
カンファレンスでは最初にアウディ ジャパン代表取締役社長のフィリップ・ノアック氏が登壇。アウディのモータースポーツの歴史から現在の活動に至るまで紹介した後、2019シーズンのAudi Sport customer racingのチーム体制が発表された。
アウディ ジャパンはAudi Sport customer racingプログラムにより、SUPER GT GT300クラスにAudi R8 LMSで参戦する1チーム1台、およびスーパー耐久シリーズ ST-XクラスにAudi R8 LMSで参戦する1チーム1台、ST-TCRクラスにAudi RS 3 LMSで参戦する4チーム4台、そして今年から始まるレースシリーズTCRジャパンにAudi RS 3 LMSで参戦する3チーム4台、合計9チーム10台のカスタマー(プライベート)チームを、パーツ供給等によりサポートする。
Audi R8 LMSは、量産モデルのAudi R8をベースに作られたFIA(国際自動車連盟)GT3規定に準拠するレーシングカー。量産モデルと並行して開発が進められ、パーツの共用率は50%にも上る。自然吸気V10 5.2Lエンジンは最高出力585ps、今シーズンより空力と冷却機能が最適化され、駆動系の耐久性を向上させた新型エボリューションモデルとなった。
一方、Audi RS 3 LMSは、Audi RS 3 SedanがベースのFIA公認のツーリングカー選手権TCRシリーズに準拠するレーシングカーで、開発はAudi R8 LMSと同じくAudi Sportが手がけている。リーズナブルな車両価格で多くのカスタマーの参戦が可能となり、2016年9月の発表以来、大好評を得ているという。
今年SUPER GTのGT300クラスにAudi R8 LMSで参戦するのは、2012年からAudi R8 LMSで挑戦を続け、2016年シーズンにはチーム、ドライバーランキング共に3位を獲得したAudi Team Hitotsuyama(アウディ チーム ヒトツヤマ)です。ドライバーはチーム在籍8年目となるリチャード ライアン選手と昨シーズンより加入した富田 竜一郎選手が、今年も継続してステアリングを握る。さらに第2戦の富士500kmおよび第5戦の500マイルレースには、Cドライバーとしてアレッシオ・ピカリエロ選手が参加予定。今シーズンより、Super GTにて豊富な実績をもつ、ヨコハマタイヤと契約を結んでいる。
Audi R8 LMSでST-Xクラスに参戦するのはX Works。また、ST-TCRクラスへ参戦するのは、昨年シリーズランキング3位を獲得したBirth Racing Project(バースレーシングプロジェクト)、4位のAudi Team DreamDrive(アウデイ・チームドリームドライブ)、6位のAudi Team Mars(アウディ・チーム・マーズ)に加え、新たに参戦するHarness(ハーネス)です。Audi RS 3 LMSは、4チーム4台の一大勢力を形成して今シーズンのレースに挑みます。
TCRシリーズは、2L以下のターボエンジンを搭載した、4ドアまたは5ドアの前輪駆動車を使用したスプリントレースで、欧州で2015年にTCRシリーズとして創設されて以来、世界各地で人気を博しており、今シーズンより日本でもTCRジャパンシリーズとして年間全5戦で開催される。Audi RS 3 LMSで参戦するのは、Nilzz(ニルズ)、Purple Racing(パープルレーシング)、Birth Racing Project(バースレーシングプロジェクト)の3チーム4台となる。
アウディ ジャパンは2016年より、Audi Sport customer racingパーツトレーラーをサーキットに配備して、参戦するカスタマーチームをサポートしており、今年も専用のトレーラーにボディ、トランスミッション、エンジン等、レース車検に適合した約2,500アイテム、約10,200点の部品を取り揃え、いかなるレース展開にも対応できるように体制を整えて、SUPER GT、スーパー耐久、そしてTCRジャパンに参戦するチームと共に国内外のサーキットを転戦するという。