【海外試乗】「マツダ3」激戦のCセグメントにマツダ渾身の一撃!

総合的完成度は間違いなくクラストップレベル

セダンもサイドビューが印象的で、ドア周辺の陰影が刻々と変化していくデザインを採用。フロントフェンダーにキャラクターラインが入るのがハッチバックとの違いだ。

今回試したのは、まず欧州仕様の2Mハイブリッドと呼ぶマイルドハイブリッドに6速MT、18インチのサマータイヤを履いたハッチバック。2Lで122psと出力はやや低く、最大トルクは213Nmと平均的な数値だが、全域で回転は滑らかで、発進や加速でモーターアシストが気持ちいい。一方、北米仕様の2.5Lに6速ATに組み合わせるセダンは186ps/252Nmとこちらも出力は平均的で、スムーズによく回るが、競合車と比べて特にアドバンテージは見い出せなかった。ただし、今回のエンジンは真打ちではなく、本命のスカイアクティブXや、販売の主役となるだろう1.8Lディーゼルに期待したい。驚異的な完成度を誇るシャシーに見合うパワートレインを用意できるかが、今後の評価を分けることになるはずだ。また、競合車は全面液晶ディスプレイを採用し始めたが、メーター中央部だけの液晶やナビの画面も小さく、HMIは以前より扱いやすいもののボイスコマンドはなく、先進性は薄い。

今回は欧州仕様の2直4+ベルト式ISGのM Hybridと呼ぶマイルドハイブリッドと、北米仕様の2.5L直4の2種類を試乗。ともに真打ちではないだけにやや精彩を欠いた。

こうした気になる点はあるものの、総合的な完成度は間違いなくクラスのトップレベル。マツダが積み上げてきた価値観が、ついに世界のベンチマークに並ぶ領域に到達した。王者ゴルフもそろそろ8代目が登場予定で、さらにハードルが上がることは容易に想像がつく。だが、最近マツダも短期間で商品性を高める術を身につけた。その意味で、マツダ3がベンチマークを争う可能性は大きい。そんな期待を抱かせる仕上がりだった。

インパネ回りは余計な継ぎ目などを徹底的に排除した上で素材を選び抜き、Cセグメントの中でも圧倒的に高い品質感と上品さを感じさせる仕立て。HMIの操作系も一新され、以前よりも飛躍的に扱いやすくなっている。

リポート:河口まなぶ/M.Kawaguchi フォト:マツダ ル・ボラン2019年4月号より転載

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