バルセロナでのテストは順調にプログラムをこなす
3月10日、ホンダのウエルカムプラザ青山にて、今シーズンからホンダのパワーユニットを使用するレッドブルと、2シーズン目を迎えるトロロッソのチーム&ドライバーが一同に介する「2019 Honda F1 Kick OFF 記者会見」が行なわれた。
F1の開幕戦となるオーストラリアGPを1週間後に控えたこの時期だが、記者会見には最初に本田技研工業のモータースポーツ部部長の山本雅史氏と、同じく本田技研工業のホンダF1のテクニカルディレクターである田辺豊治氏、そしてレッドブルレーシングのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコ氏が登壇した。
4月よりホンダF1マネージングディレクターに就任する山本氏は、「今シーズンは勝ちにこだわっていきます。昨シーズン、トロロッソと組んだ時から2チーム体制になることについては話していました」とコメント。
一方テクニカルディレクターの田辺氏は先ごろのバルセロナテストについて言及し「バルセロナの8日間のテストは、チーム側とホンダ側それぞれのプログラムを順調に進めることができました。多少のマイナートラブルは出ましたが、いいテストができたと思います」と語った。
また、ヘルムート・マルコ氏も「レッドブルは自動車業界のビッグメーカーであるホンダと組めたことをうれしく思います。今シーズンへの良い準備ができましたし、昨年のトロロッソの経験もあり、いままでも綿密に準備をしてきたので、期待ができると思います」と、2019年シーズンに向けての展望を語った。
次に記者会見を行ったのはシーズン目を迎えるレッドブル・トロロッソ・ホンダの面々。まずフランツ・トストチーム代表は、「初めてのジョイントとなった昨シーズンは、ホンダと様々なことに取り組んだことで、2019年に向けていい準備ができ、非常に競争力のあるパッケージになった」とコメント。また一新したドライバーのラインナップに関しても、「彼らのマシンに対するフィードバックには満足している。ダニール・クビアトは以前も活躍していたし、ポディウムにも乗っている。アレクサンダー・アルボンもジュニアのカテゴリーで優勝もしているし、いずれも強力なドライバーを揃えられたと思っている」と自信をのぞかせた。
トロロッソでのF1復帰を果たしたダニール・クビアトは、「とても充実したテストができた。多くの周回を走れたし、パワーユニットのフィードバックも良かった。ホンダとトロロッソのコラボレーションはうまくいっていると思う」とホンダとトロロッソの協力体制がうまく機能しているとコメント。意外にもクビアトは、日本語の勉強にも取り組んでいるという。
今シーズン、F1のルーキードライバーとなるアレクサンダー・アルボンは、「こないだのテストで500周という周回を走れたことで、ホンダの信頼性の高さを証明できた思う。トロロッソもホンダも自分がルーキーだということをわかっていてくれている。開幕戦は走ってみないとわからないけれど、テストではレースシミュレーションもできている」と意気込みを語った。
記者会見の最後には、2019年シーズンよりホンダのパワーユニットを搭載するアストンマーティン・レッドブル・レーシングの代表とドライバー陣が登壇。クリスチャン・ホーナー代表は、テストを振り返り「ホンダのパワーユニットと我々のシャシーにマッチングもいい、ホンダとのコミュニケーションもうまくいっている。イギリスのホンダのファクトリーとレッドブルのファクトリーは1kmと離れていないし、ホンダ側のレスポンスも非常に早い」とコメント。
初めてホンダのパワーユニットをドライブするマックス・フェルスタッペンは「テストはとても良かった。ホンダと仕事ができることをうれしく思うし、シェイクダウンの前には興奮して寝られなかったよ。テストもスムーズに進んだし、開幕戦での目標は、まずたくさんポイントを獲ることだ」を期待をのぞかせた。
一方バルセロナテストでは2度のクラッシュを喫してしまったガスリーだが、「ホンダは去年から改善しているし、2チームにパワーユニットを用意してくれたことは素晴らしいことだ。僕はできるだけ去年の経験やフィードバックをしてコミュニケーションを取ろうと思う」と前向きなコメントであった。
最後に、ホンダのモータースポーツ部長の山本雅史氏は「今シーズンはなるべく早めにまず1勝を挙げたい」とコメント。日本のファンとしては是非ともホンダの活躍にしたいしたいところだ。