ベルリン【InnoTrans2018】間近に見る最新型車両に大興奮

2018/12/03 21:00

トラムも機関車も

ドイツ・ベルリンにて隔年で開催されている世界最大級の鉄道技術の展示会「InnoTrans2018」が2018年9月18日~22日の4日間で開催されました。主催者によれば世界61カ国から3062社の出展と、146ものワールドプレミアがあったと発表されています。前々から一度は行ってみたいと思っていたのですが、このたびその機会に恵まれたのでざっとご紹介したいと思います。


展示は屋内と屋外に分かれているのですが、なんと言っても屋外展示がサイコーです。線路から展示会場に引き込み線が敷いてあるので、各所から自走で直接会場にやってきます。やはり実際の線路上にいるのがいい! 当然軌間が合わない車両もありますが、ちゃんと振替台車を履いていますので問題ありません。

スイス・シュタッドラー社製スイス向けトラム車両


日本が世界に誇る日立の車両も。日立と言えば、2007年に始まったイギリス「高速鉄道車両CTRLプロジェクト」への輸出でご存じの方も多いでしょう。2012年7月にも英国史上最大のプロジェクトである都市間特急更新計画向け車両も受注しているので、欧州向けニッポン代表の先達としての重大な役割を担っているとも言えます。

2023年までに600両を更新するというトレニタリア(イタリア)のビッグプロジェクト向け車両。手前が日立製ダブルデッカーの“ロック”、奥がアルストム(フランス)製シングルデッカーの“ポップ”。300両ずつ納入することになっているという。“ロック”のデザインはイタリアとのこと。

日立製“ロック”のサイドビューと車内。1階のドア付近には折りたたみ自転車やバゲージはもちろん、車いすも自転車も多数置けるスペースが確保されている。

チェコからはシュコダ製DB(ドイツ鉄道)向けプッシュプルダブルデッカー。クルマ好きには知られた自動車のシュコダとは別会社。

こんな地下鉄乗ってみたい! シュタッドラー製英グラスゴー地下鉄向け車両。

日本の新幹線輸出で競合することが多い中国車はこの奥と屋外で大々的に展示。

屋内展示には実物大がいっぱい

屋内展示では台車、ハイブリッドパワートレインなどの車両関係、ポイントなどのレール、コネクティビティをはじめとした最新システムがズラリ。名前を聞けばたいてい知っているメーカーもそこかしこに。鉄道好きにもたまらない展示の数々です。

コネクテッドと自動運転がメインテーマのドイツの雄「シーメンス」。自動運転システムなら運転者による加減速のムラを排し、20%の省エネを達成できるという。

そしてお隣フランスからはアルストムが世界初の水素車両を大々的に発表していました。

日本連合も大々的に出展

そして今回は、日本連合JORSA(Japan Overseas Railway System Association=日本鉄道システム輸出組合)でワンフロアを占めていました。「近畿車輛」「日本信号」「三菱電機」など日本を代表するメーカー、「JR東海」「東京メトロ」などの鉄道事業者も。

展示だけでなく、定期的にお寿司タイムがあったり、東京からやってきた老舗和菓子店のお菓子とお茶が振る舞われたりと、舌でも楽しませてくれました。人通りが多い場所だったので知らずにここに来て思わず足を止める人も多かったようです。

ただ筆者としては(来場者も同じような感想を持ったような……)、日本の紹介の仕方が若干古いのと、結局何が訴求したいのかがわかりにくく、日本代表チームの割にはちょっと曖昧ね……という感じでした。
どうせなら、エヴァンゲリオンやキティちゃんカラーの500系モックアップとか、新幹線の歴史展示や定時運行、事故率に関するデータなんかのパネルを前面に押し出した方が良かったと思います。そういうデカいモノを見せてから「実は私です」と、各部分メーカーが自慢の製品を見せればもっと伝わったんじゃないかと。「新幹線か~、ニッポン観光旅行で乗ったよ~」だけで終ってしまっているのがもったいなかった。「奈良県出身なんです」→「ああ、修学旅行の時に鹿を見ましたよ」というのと変わらないですね。また、日本の単なる翻訳感がぬぐえず、現地の事情とニーズを踏まえての展示になっていない感じでした。今しばらくの時間が必要でしょう。

近畿車輛は日本での代表車両、海外向けの車両をパネル展示してアピール。ドーハ・メトロ向け車両は2018年度ドイツ・デザイン・アワードを受賞している。

東芝は自慢のリチウムイオン電池「SCiB」で全面展開。鉄道車両に要求される欧州規格EN50126および安全性に関するEN50129のSIL4(最高水準)を取得したと2018年8月に発表されている。なお、リチウムイオン電池を使ったシステムが鉄道車両向け欧州規格認証を得たのは世界初とのこと。余談ですが、自動車用SCiBの新製品も2018年5月開催の「人とくるまのテクノロジー展」で紹介されている。それについては別にご紹介。

最後に、各社自慢の新型車両達を写真でご紹介いたします。
いかがでしたか?屋外展示で日本では見られない個性的なデザインの車両たちを一度に見られるのは楽しいですし、屋内展示でテクノロジーの数々をじっくり見聞きすれば日本との事情や考え方の違いもわかって面白いはず。今回はバスの展示もありましたので、電車に近づくバスの世界も垣間見えた点でも興味深かった。

さて、この「InnoTrans」は、2年に一度の開催なので次回は2020年9月22日~25日です。お間違えなきように。また、同じく偶数年にハノーバーで開催されるドイツ国際自動車ショーIAA商用車と開催時期が重なるため、「バス」「トラック」「鉄道」好きの方はまとめて見られるのでおトクです。ハノーバーとベルリンをICEなどのドイツ自慢の鉄道で旅をするのもいいかもしれません。列車を探すのも予約をするのも驚くほど簡単です。

関連サイト:
https://www.innotrans.com/
https://www.iaa.de/en/
https://www.bahn.com/en/view/index.shtml

フォト:大田中秀一 S.Otanaka

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