2015年にソフトトップ、2016年にRFが発売された4代目ロードスターが、2回目の商品改良を受けた。今回は初めてエンジンに手が加えられ、いっそう走りが楽しめるモデルに仕上がっている。
ND初のエンジン改良で吹け上がりが良好に
2015年に4代目がデビューし、2016年にリトラクタブル・ハードトップ版のRFが追加されたマツダ・ロードスターが、2017年に続き2回目の商品改良を受けた。
ソフトトップモデルでは燃焼改善技術を織り込み、全回転域のトルクを現行同等以上に高めながら、環境・燃費性能を向上させている。
今回の見どころは、現行モデル初となるエンジンのアップグレードだ。具体的には、RFに搭載される2.0リッターユニットにおいて、吸気系では高回転域での吸入空気量を向上、ピストンやコンロッド等、回転系部品の軽量化、吸排気損失の低減、燃焼期間の短縮などを実現することで。最高出力は従来比26ps/5Nmアップの184ps/205Nmを発生、レブリミットも6800rpmから7500rpmに引き上げられている。一方エキゾーストもサイレンサーの内部構造を見直し、低回転から高回転までリニアで伸び感のある力強い音色を作り込んだという。加えて燃費・環境性能も向上させるなど、エンジンそのものの性能も高められている。
RFの2.0リッター直4ユニットは26ps/5Nm増の184ps/205Nmを発生。レブリミットも6800rpmから7500rpmに引き上げられている。
一方ソフトトップの1.5リッターユニットでは、スペックの向上代こそ微小ながら、燃焼改善技術を織り込み、全回転域のトルクを高めている。
今回、歴代ロードスター初となるテレスコピックステアリングを採用し、理想のドライビングポジションを提供。
今回RFの2.0リッターユニットは、新旧を乗り比べることができたが、その違いは明らか。特に中~高回転での吹け上がりが良くなり、回して楽しいエンジンに仕上がっている。それでいて低回転域のトルクが薄くなっていないのも嬉しいところ。すなわち、街中でのドライバビリティを犠牲にせず、自然吸気らしい気持ちいい吹け上がりをいっそう濃厚に味わえるようになったのだ。
VSの内装色にスポーツタンとブラックが追加された。
最近このクラスのモデルを見渡しても、ダウンサイズターボユニットが多くを占めているゆえ、こうした自然吸気ならではの回転フィールを体感できるのは、ある意味貴重ともいえる。そんなファインチューンを実現できたのは、まさにマツダのエンジニアによる努力の賜物といっていいだろう。
ホイールは、ガンメタリックからブラックメタリックにカラーが変更され、ピアノブラックのドアミラーとの統一感を強調。試乗車にはオプションとなるBBS製ホイールが装着されていた。
フォト:宮門秀行