これまでの弱点を克服し、進化し続ける両雄
スピンドルグリルがすっかりと定着して存在感を強める最新レクサスの中で、SUVの中心的存在となるのがRXだ。販売台数の約30%がRXなので稼ぎ頭であると同時に、保有ユーザーも多いので、あまり冒険できない、とチーフエンジニアの勝田隆之氏はいう。しかもアメリカでは、RXの半分以上が女性オーナーなのだ。
新型RXのボディサイズは先代モデルよりもひとまわり大きくなっているが、全幅は1900mmを切っているので、なんとか日本の都市部でも使えるサイズだ。ホイールベースは先代よりも50mm伸びているので、後席はゆったりとしている。だがダイナミクス的にはマカンのほうが短いホイールベースとワイドなトレッドを持つので、クイックな動きが試されるテストでは初めからRXが不利だった。
今回テストしたパワートレインはNXと同じ2.0Lガソリンターボ。V6ハイブリッドのRX450hも魅力的だが、ギア比を低くしてヘビーな重量に対応している。ボディは最近のトヨタの得意技であるレーザースクリュー溶接や接着技術などでしっかりと剛性を確保。エンジンはサブフレームに載せていたタイプから、エンジンの質量中心でマウントする方式に変更している。これが奏功して実際に高速周回路や往復の移動では、すべてがスムーズでマイルド、細かな振動をまったく感じさせない。まるでビロードの絨毯の上を走っているような感じだ。
新型RXはダイナミクスもポルシェと比較できるまで進化している。点数ではマカンに負けてしまったが、世界で戦うプレミアムSUVとしては魅力的だと思った。
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