0-100km/hを2秒未満でこなすEVスーパースポーツコンセプト
8月23日、アウディは米国カリフォルニア州モントレーで開幕したイベント「ペブルビーチ・コンクールデレガンス」において、アウディの未来のスーパースポーツ像を示すコンセプトモデル「アウディPB18 eトロン」を世界初公開した。
このコンセプトは、アウディが長年にわたって制してきたル・マンレーシングカーから多くの技術が導入されている。ボディサイズは全長4.53×全幅2×全高1.15mで、ホイールベースは2.7m。ボディパネルにはアルミやカーボン、複合材が用いられ、車両重量は1550kg未満になると予想されている。
そのスタイリングは、シューティングブレークをイメージさせるフォルムが特徴的。実際、スーパースポーツモデルながら荷室容量は470Lが確保されている。キャビンは2名乗車が可能だが、運転席は横方向にスライドさせることが可能で、サーキット走行などではレーシングマシンのようにコクピットをキャビン中央に配置できる。
パワーユニットは電気モーターで、フロントアクスルを150kW(約201ps)の1モーター、リヤアクスルを計350kW(約469ps)の2モーター、合計3つのモーターで4輪を駆動する。4WDはアウディおなじみのクワトロシステムだ。
電気モーターによる総合出力は500kW(約671ps)だが、一時的に利用できるブーストモード時は570kW(約764ps)を発揮する。最大トルクは830Nmだ。この電気駆動パワートレインにより、0-100km/hを2秒未満でこなす加速性能を実現している。
バッテリーは95kWhの容量を備えた水冷式の全個体電池を採用。1回の充電で500km以上の走行が可能。800Vの急速充電にも対応しており、その場合約15分でバッテリーを完全に充電できる。
車体構造は伝統的なミッドシップスポーツカーに沿ったもの。キャビンを可能な限り前方に配置し、パワーユニットなどの重量物(このモデルの場合はバッテリーパック)をシートとリアアクスルの間に配置することで、優れたドライビングダイナミクスを実現している。
ル・マンレーシングマシン「アウディR18 eトロン・クワトロ」からのフィードバックを実感させるのがサスペンションだ。前後独立式のサスペンションはフロント用がプッシュロッドシステム、リア用がプルロッドシステムを採用。ショックアブローバーには前後ともにマグネティックライド式のアダプティブダンバーが用いられている。
ホイールは22インチで、タイヤサイズはフロント用が275/35、リア用が315/30を装着。ブレーキディスクは19インチのカーボンタイプとなり、高水準の制動性能を発揮する。