死亡事故ゼロを目指すトヨタの最新版「トヨタセーフティセンス」を実体験

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新システムの普及で死亡事故ゼロへ

 究極の願い「交通事故死傷者ゼロ」を掲げるトヨタ自動車は、同社の東富士研究所を会場に第2世代「Toyota Safety Sense(TSS/トヨタセーフティセンス)」説明会を開催した。トヨタ自動車「自動運転・先進安全統括部」の稲垣匠二部長によれば、昨年の交通死亡事故の犠牲者は3,694人にものぼり、その原因の約90%が対歩行者や路外逸脱、交差点事故、追突事故とのこと(警視庁交通局データ)。こうした事故を未然に防ぐべく、トヨタ自動車が2015年から投入したカメラとミリ波レーダーを使った先進の予防安全システム「TSSパッケージ」は、日米欧ほぼすべての乗用車に設定され約80~90%がオプション装着、これまでの世界累計販売台数は約800万台となっている。

「自動運転・先進安全統括部」の稲垣匠二部長(写真右)と「先進安全性能開発部」の深谷克己部長(写真左)がTSSの理念と機能を解説。クルマの進化とドライバーの意識改革、インフラ整備の三位一体が重要とのこと。

 ここからさらに交通死亡事故ゼロを目指す同社では、先ごろフルモデルチェンジされたアルファード/ヴェルファイア以降の一部商用車を除く全モデルへの「TSS」標準装備化を目標に掲げ、現行モデルのアルファード/ヴェルファイアが搭載する、“第2世代”Toyota Safety Senseのセンサー等を小型化して、コンパクトカーを含むグローバル市場への普及展開を図ることで、交通死亡事故の減少に貢献していく構えである。

約40㎞/hで走行するクルマの前に15㎞/hで進入する自転車や駐車車両の間から飛び出す子どもをNCAP試験が採用するシステムで再現。検知から自動ブレーキ作動までは瞬時。信頼できる機能とはいえドライバー目線ではあまり気持ちのいい体験とはいえない。

 また、同社「先進安全性能開発部」の深谷克己部長によれば、最新版TSSではカメラのコントラスト機能やミリ波レーダーの近距離検出範囲の広角化といったセンシング性能と画像認識CPUの性能アップによって、夜間歩行者や走行中の自転車といったシステムが対応できる死亡事故形態を拡大。加えて「レーダークルーズコントロール」や「レーントレーシングアシスト」といった高度運転支援技術が高速道路でのドライバーの負荷を軽減することで安全性が高められるとの考えを示した。

 

肉眼では視認困難な月明かり(約1ルクス)で認識できる高感度撮像素子を採用。ロービームに照らされる歩行者の下半身を学習したCPUが認識して緊急自動ブレーキを作動させる。

 今回、試験コースで行なわれた体験試乗およびデモンストレーションでは、40㎞/hで走行中のクルマの目前に、駐車中の車影から飛び出すちいさな子どもと交差点を減速せずに進入する自転車、夜間の道路を横断する歩行者を、実際にNCAPテストに採用されているダミーで再現。試乗に供された市販モデルのアルファード/ヴェルファイアは、これらすべてのケースを検知して、緊急自動ブレーキを作動させることで見事に追突事故を回避してみせた。

トヨタ自動車 https://toyota.jp/ 

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