さて、ここからが本題だ!
──と、ここまではイントロのようなモノ。今回のお話は、ここからが本題だ。
まずはGTV、である。初代ジュリア時代のスプリントGTV/1750GTV/2000GTV、そして916型スパイダーのクーペ版であるGTV以来となる伝説的ネーミングの復活だ。
新しいGTVに関しては、前後重量配分が50:50であること、Eブースト・テクノロジーを利用した600馬力以上のモデルがラインナップされること、トルクベクタリング機構とAWDシステムを持つこと、4人乗りであること──が明らかにされた。が、これは事実上、以前からウサワになっていたジュリア・クーペ、要はジュリアのクーペ版と見ていいだろう。欧州ではジュリア・クーペのパワーユニットは、2リッター直4ターボの280ps版と2.9リッターV6ターボの510psのそれぞれにハイブリッド・システムを合わせ、それぞれ350psと600psを発揮する、ハイブリッドのシステムについては、同グループのフェラーリが“ラ・フェラーリ”で採用した仕組みに近いモノが使われるのでは? といわれていた。そのあたりの真偽のほどは定かじゃないが、遠からじ、といったところではないだろうか?
8Cは真性スーパーカーに?
今回の発表の中で最も衝撃的だった、8C。これは2007年に限定で発売された8Cコンペティツィオーネとは異なり、ミドシップ・レイアウトとなる。それ以外に明らかにされているのは、カーボン・モノコックであること。ミドにマウントされるのはツイン・ターボ・エンジンであること、フロント・アクスルにモーターが備わるハイブリッド・システムを搭載すること、それらのシステム合計で700馬力を越えること、静止状態から100km/hまでの加速タイムが3秒以下であること、といったところ。……お気づきだろうか? エンジンがV8ツイン・ターボになるのかV6ツイン・ターボなのか、明言されていないのだ。“8C”という名称だからV8ツイン・ターボで、フェラーリ488のモノをベースにするというウワサが流れはじめた一方で、同じくフェラーリ・カリフォルニアTのエンジンをベースにV6として設計しなおしたジュリア・クワドリフォリオの2.9リッターの出来映えが素晴らしいため、それにチューンナップを加えて“8気筒並み”ということにするのではないか、という異論もある。アルファ・ロメオの真性スーパーカーとなる新しい8C──いずれにしても楽しみで仕方ない。
ほかにも全モデルにハイブリッド・システムやEブースト・システムなどの電気技術を採用したモデルを投入すること、レベル2もしくはレベル3の自動運転技術を盛り込むことなども発表されている。もちろんこれらは全て計画であるからして、何らかの理由で変更になる可能性もないではないけれど、今回の発表が全てではないにしろ実現していくとしたなら、2022年のアルファ・ロメオは現在とは大きく様相が変わるんじゃないか? と思われる。
FCAグループの総帥であるセルジオ・マルキオンネは、2019年のどこかのタイミングで引退することを表明しているが、その彼が最後の大仕事として取り組んでいるのが、アルファ・ロメオ・ブランドの再構築。F1の世界にアルファ・ロメオの名前を復活させたのもその一環だ。現在66歳であるマルキオンネが、FCAにおける自身のキャリアの最終段階をしょぼ〜いカタチで締めくくるとは考えにくい。ということは……と期待がムクムクと湧き上がってきて、やっぱり小躍りしちゃうのである。
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