スパ・フランコルシャンを1分41秒770で周回
2019年末から開催されるフォーミュラE「グローバルエレクトリックレースシリーズ」の第6シーズンへの参戦を正式に決定したポルシェはこのほど、同社のル・マン・ウイナーマシンであるポルシェ919のEvoバージョン「ポルシェ919 Evo」が、ベルギーのスパ・フランコルシャンでトラックレコードを樹立したことを発表した。
4月9日、このアルデンヌの森にある全長7.004kmのベルギーグランプリサーキットを、ポルシェのワークスドライバー、ニール・ジャニが1分41秒770で周回。最高速度は359km/h、平均速度は245.61km/hをマークした。2017年8月26日に1分42秒553というラップタイムを樹立し、昨年のF1ベルギーGPの予選でポールポジションを獲得したルイス・ハミルトン(英国)が、メルセデスF1 W07ハイブリッドによって叩き出した従来の記録を、34歳のスイス人ニール・ジャニは0.783秒も短縮したのである。
ニール・ジャニは次のようにコメントしている。
「919 Evoは、とてつもなく圧倒的です。私がこれまで運転したなかで、間違いなく最速のクルマです。グリップは私にとってまったく新しい次元というべきレベルで、これほどのものだとは、実際に運転するまで想像もつきませんでした。919 Evoで1周しただけで体感できるスピードは非常に速く、求められる反応速度は私がWECで慣れていたものとは大きく異なりました。2017年のベルギーGPにおけるポールポジションよりも速かっただけではありません。今日のラップは、昨年の私たちのWECでのポールポジションと比較して12秒も速いものでした。私たちはスパで非常に密度の濃い3日間を過ごしました。今日の午前中、私は1周目から車のパフォーマンスがすばらしいことを知りました。レースエンジニアはクルマのセットアップで優れた仕事をしてくれ、ミシュランのタイヤも抜群でした。こうした体験を可能にしてくれたポルシェには、心からお礼をいいたいと思います」
今回コースレコードを記録した「ポルシェ919ハイブリッドEvo」では、パワートレインのハードウェアには919ハイブリッドから手を加えていないという。ポルシェ919を駆動するのは、コンパクトなターボチャージャー付き2リッターV型4気筒エンジンで、2種類のエネルギー回生システム(フロントホイールのブレーキエネルギーと排気エネルギー)が採用されている。内燃エンジンはリアホイールを駆動し、電気モーターはフロントホイールをブーストして4輪を駆動する。同時に、大気中に捨てられてしまうはずのエキゾーストシステムからのエネルギーを回収。フロントブレーキと排気システムから回生される電気エネルギーは、一時的に水冷式リチウムイオンバッテリーに蓄えられる。
WEC効率レギュレーションでは、フューエルフローメーターを使用することで、1ラップあたりの燃料によるエネルギーが制限されていた。2017年のスパでの選手権ラウンドでは、ポルシェ919ハイブリッドの最終セッションは1ラップあたりのガソリン使用量の制限は1.784 km/2.464リッターだった。このときにV4内燃エンジンによって得られた出力は約500ps。この制限を取り払い、最新のソフトウェアを装備した結果、通常のレース用の燃料(20%のバイオエタノールを含むE20)を使用した状態で、919ハイブリッドEvoのV4エンジンは720psを発生した。
一方、2017年のWECスパ戦で使用することができた2つの回生システムによるエネルギー量は6.37メガジュール。これは、システムのポテンシャルをはるかに下回るもの。レコードラップ中のニール・ジャニは、8.49メガジュールのフルブーストを利用することができ、これにより回生エネルギーの出力は400psから440psへと10%増大したとのこと。
さらにエアロダイナミクスの面でもレギュレーションの制限から解放され、フロントディフューザーやリアスポイラーが大型化されるなどにより、2017年WECスパ戦(予選)マシンとの比較では、全体でのダウンフォースが53%増大。効率は66%向上した。
今回のスパでのレコードラップは「919トリビュートツアー」の最初のイベントで、次回は5月12日に開催されるニュルブルクリンク24時間レースのスタート前に行なわれる伝説の北コースにおけるデモラップとなる。その後、グッドウッド・スピードフェスティバル(7月12~15日)とブランズハッチのポルシェフェスティバル(9月2日)で走行し、さらにカリフォルニアのラグナ・セカで開催されるポルシェ レンシュポルト・リユニオン(9月26~29日)に参加する予定だ。
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