強ウェットのレーシングコースで「M xDrive」を体験
また、定常円走行以外では最新モデル試乗プログラムでもM5のステアリングを握る機会が設けられていた。こちらは速度制限が設けられた特設エリアを利用する関係上、定常円のようにアクセル全開、というわけにはいかなかったはずだが、日常域における洗練されたライド感を確認。Mモデルというと、従来はスポーツ性を全面に打ち出したドライブフィールが特長となっていたが、新型M5はそこにアッパーミドルクラスのセダンに相応しい落ち着きがプラスされているだけに、参加者はここでも新しいMモデルのキャラクターを実感できただろう。ちなみに今回の試乗プログラムでは、上陸間もない640iグランツーリスモや540iツーリング、そしてX3といったノーマル系BMWのxDrive(4WD)モデルも用意。短時間とはいえ、それぞれを雨という環境下で乗り比べることで、BMWの4WDがどんなキャラクターであるのかを再確認する機会にもなっていた。
一方、せっかくの新型M5なのだからレーシングスピードでの走りも知りたい、というニーズには同乗走行プログラムで対応している。今回は本誌執筆陣やインストラクターのドライビングで、富士のレーシングコースを周回。富士といえば長いストレートと高速コーナーの100R、そしてタイトな上りが続く後半という具合にバラエティに富んだレイアウトが持ち味となっているサーキット。それだけに、雨とはいえ非日常領域における新型M5のパフォーマンスを体感するにはこの上ない環境であったことは間違いない。
さて、そんな新型M5づくしとなった今回のドライビング・レッスンだが、“レッスン”の部分もしっかり実施されている。パイロンスラローム走行プログラムでは、コーナリングの基礎とBMW本来のパフォーマンスを体感。具体的にはステアリングとペダル操作のスムーズな連携、コーナーのライン取りやドライバーの理想的な視線移動の修得を目的としたレッスンが行われた。参加者はインストラクターのデモ走行を見学した後、愛車で仮設コースを数セット走るのだが、その際インストラクターからは無線によるリアルタイムでのアドバイスが入る。今回は時折雨脚が強くなる環境下だったが、タイヤのグリップ限界が低い状況でのスポーツ走行には繊細なドライビングが必須となる。それだけに、短時間とはいえレッスンの密度はむしろドライ路面時より高かったかもしれない。
そして、午後は常連参加者お楽しみのフリー走行。20分×3セットで午前中に修得したレッスンの成果を確認、参加者は日没直前までBMW三昧なひとときを満喫してプログラムは無事終了した。
取材協力:
BMWジャパンhttps://www.bmw.co.jp/
富士スピードウェイ http://www.fsw.tv/
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