「生の情報」が音声でカンタンに探せるオンライン検索
東京モーターショー2017でも多かった、「つながるクルマ」、「コネクテッドカー」というキーワードは、2018年以降も引き続き目にするはず。中でも世界販売首位のフォルクスワーゲンは、以前から提供してきたコネクテッドサービスを2017年夏から強化している。2017年12月に行われたオールラインナップ試乗会で「e-ゴルフ」を、同12月末に開催された「Volkswagen Car-Net」体験試乗会では、新型アルテオンを使ってフォルクスワーゲン最新のコネクテッド技術を体感できたので報告したい。
インプレッションの前にここでは、「Guide & Inform」の概要をご紹介しよう。「Volkswagen Car-Net」は、「App Connect」、「Guide & Inform」、「e-Remote」という3つのサービスからなり、車載の通信モジュールではなく、手持ちのスマホなどを使ってテザリングで接続する。
「Guide & Inform」は3年間無料(通信費は別)
ここで紹介する「Guide & Inform」は、対象の新車を購入すると、新車購入から3年間は無料(3年以降の料金体系などは検討中とのこと)。テザリングで接続するため、通信費(パケット)はユーザーが負担する。他メーカーが一部で採用している車載通信モジュールを搭載しないのは、車両価格の上昇(上乗せ)を抑えるのが狙いとのことで、フォルクスワーゲンらしい配慮といえるだろう。いわゆる「パケ放題」などを利用している人も多いと予想されることからこうした戦略をとっているそうだ。
この「Guide & Inform」は2017年12月現在で、「オンライン施設検索」、「オンラインVICS情報」など計11のサービスが用意されている。
「オンライン施設検索」と、冒頭に「オンライン」と付くのは、ほかに従来型のローカル(ナビにインストール済みの施設検索)の施設検索など2系統の検索が備えられているためで、これはコネクテッド技術を採用している他ブランドにもおおむね共通するもの。
音声操作で「Google」の生の情報を取得できる
「Guide & Inform」の最大の特徴は、運転しながらでも「Google」の豊富なデータベースで検索できる点。運転中のスマホ操作は厳禁だからステアリングを握ったままスポットなどを検索できるほか、自宅や外出先で検索したスポットを車載インフォテイメントシステムに転送し、ナビの目的地に設定できたりする。
フォルクスワーゲンの場合、「Volkswagen Car-Net(Guide & Inform)」のようなコネクテッド技術に関するお客さんの反応は、「ぜひ欲しい、興味がある」などの積極派と「まったく興味がない」という消極派に分かれているそうで、最近は着実に前者が増えているそうだ。
なお、「Guide & Inform」の操作感や走行時の使い勝手、「App Connect」、さらにe-ゴルフやプラグインハイブリッドのGTEに対応する「e-Remote」の概要は次回の記事で紹介したい。
リポート 塚田勝弘 K.Tsukada