星のマークでおなじみの模型メーカー・株式会社タミヤは、1/10電動RC(ラジオコントロール)カーシリーズの人気カテゴリー「Mシャーシ」シリーズの最新モデル「M-07 CONCEPTシャーシキット」を2017年6月24日に発売する。これに先がけ、メディア関係者に対して行われる商品説明会&レース体験会にル・ボラン・ブースト編集部も参加するため、発売前の「M-07 CONCEPTシャーシキット」をタミヤからゲット! 組み立て作業もいよいよ大詰め! 今回はM-07 CONCEPTに取り付ける「マツダ デミオ」のボディ塗装にチャレンジする。
まずは塗装前の下準備から
「Mシャーシ」シリーズ用をはじめ、ほとんどのタミヤ製RCカーで採用されている「ポリカーボネート」製のボディ。軽量で、衝撃に強く壊れにくいため、RCカー用のボディとしては最適な素材ではあるが、専用の塗料が必要だったり、塗装をボディの裏面から行うなど、一般的なプラモデルとは少々勝手が違うので注意が必要だ。まずは塗装前の下準備からはじめていこう。
塗装前の新品のボディには、成型時の離型剤や手の脂がついている場合がある。これらが残ったままの状態で塗装をしてしまうと、塗料の食いつきが悪く、ちょっとした衝撃で剥がれてしまうことも。そんな悲劇を防ぐため、ボディは塗装前に必ず洗浄しておこう。説明書には中性洗剤を使って洗うよう指示されているが、今回は効率的に作業を進めるため、なにかと便利なタミヤの「プレペイントクリーナー(ポリカーボネート用)」を使用。ティッシュペーパーやウエスなどにクリーナーをしみ込ませ、ボディの内側を隅から隅までキレイに拭いおく。
ウインドウ部分をマスキング
塗装の前に、塗りたくない部分をカバーするのが「マスキング」だ。今回塗装する「マツダ デミオ」をはじめとするタミヤ製ボディの多くには、ウインドウ部分をマスキングするための「マスキングシール」が付属しているので、まずはそれを貼っていこう。
印刷された線に沿ってマスキングシールをキレイにカットし、指定の箇所に貼り付けていく。前後のウインドウなど、面積が広い箇所は一度に貼ろうとすると失敗しやすいので、写真のように台紙部分の一部のみを切り取り、位置を合わせながら少しずつ貼っていくとうまくいく。シールの端がめくれたり、シワにならないよう注意しながらしっかりと貼り付けよう。
フロントグリルやリヤバンパーをマスキング
今回はフロントグリルやリヤバンパーの下側を説明書の指示通りブラック、ボディカラーをホワイトに塗り分けるので、この部分もマスキングが必要。プラモデルなど一般的な塗装作業は明るい色から先に塗っていくが、ポリカーボネートのボディは裏面から塗装をするため、反対に濃い色から塗っていくのがセオリー。今回の場合はもちろんブラックから先に塗っていくので、フロントグリル、フロントアンダースカート、サイドアンダースカート、リヤバンパー下側以外の部分を市販のマスキングテープを使ってある程度までマスキングし、残りの広い面は作業時間短縮のため、マスキングシールの代わりにチラシを貼り付けて覆うことにした。
スプレー塗装の準備をする
前述のとおり、ポリカーボネートの塗装には専用の塗料が必要となる。タミヤからもポリカーボネート専用のスプレーが販売されているが、スプレー缶の見た目はプラモデル用と同じなので購入時は注意! 品番の頭に「PS-」と表記されているのがポリカーボネート専用だ。またスプレーを噴く際は屋外での作業が基本だが、まわりに塗料が飛び散らないよう、段ボールなどで写真のようなスプレーブースを作っておくと安心できる。
専用スプレーで塗装開始!
いよいよスプレーを噴いていくが、ここで注意したいのが塗装作業をする日の天候。湿度の高い日や雨の日に無理に作業すると、ムラになったり、塗装面が白く濁ったりするなど失敗する可能性が高いので、天気が悪い日はグッと我慢。ボディ塗装は「焦らずじっくり時間をかけて」が鉄則だ。
スプレー缶を20~30回ほど振ったら、いよいよ塗装開始! このとき写真のように使い捨てのビニール手袋をしておくと手が汚れないのでオススメ。塗装面であるボディ裏面とスプレーの距離を20~30cmに保ちながらスプレーを噴き付けていくが、一度に大量に噴くとムラになったり塗料が垂れてきたりするので気をつけよう。少しずつ、数回に分けてスプレーしていくのがキレイに仕上げるコツだ。
1回目はパラパラと全体を覆う程度。1回目の塗料が完全に乾いたら2回目も同じような要領で塗り重ね、全体の7~8割のイメージで染め上げていく。これを数回繰り返して全体がムラなく均一に染まったら塗装完了。塗料が完全に乾くまで、風通しの良いところでしばらく放置しておこう。
マスキングを剥がして2色目を塗装!
1色目の塗料が完全に乾いたら、塗装した面を傷つけないように注意しながら、ウインドウ部分以外のマスキングを丁寧に剥がしていく。このときマスキングの隙間などからスプレーが漏れてしまった箇所がないかを同時にチェック。マスキングをしたにもかかわらず塗料が着いてしまったところ(写真のように表面から別の色のマジックなどで囲んでおくと見やすい)は、「プレペイントクリーナー(ポリカーボネート用)」を綿棒などに含ませてゆっくり拭き取ると、キレイに落とすことができる。漏れた塗料が全部拭き取れたら、ボディカラーである2色目(今回はホワイト)をスプレーし、完全に乾くまで再び放置する。
ウインドウ部分にスモークを塗装
ホワイトの塗料が完全に乾いたら、ウインドウ部分のマスキングシートを丁寧に剥がしていこう。塗装が厚くなった部分は剥がしにくい場合があるが、そんなときはシートの端に沿ってカッターの刃を軽く当てると剥がしやすくなる。すべてのウインドウマスキングを剥がし終えたら、今度はこの部分にスモーク塗装を施すが、マスキングシートの糊が残っている可能性があるので、いま一度「プレペイントクリーナー(ポリカーボネート用)」でキレイに拭いておこう。あとは1色目、2色目と同じ要領でスモークをスプレーするが、スモークはあまり濃く塗る必要がないので、ムラなく2回程噴くだけで十分だ。
ボディの余白をカット
スモークが完全に乾いたら、ボディの余白部分をカットしていこう。RCショップでは専用のハサミなども販売しているが、基本的なカットであればカッターナイフだけでも十分だ。作業はとても簡単で、カットラインをカッターでなぞり、あとはなぞった部分をパキッと折るだけ。ホイールアーチなどの曲線部分も慎重に作業すれば問題なくカットできる。
さらにカットした断面を320番程度の紙ヤスリで整えると、よりキレイに仕上がる。ホイールアーチは写真のようにスプレー缶を当て木代わりに使うと作業がしやすい。
マーキングステッカーの貼り付け
カット完了後、ボディ表面の保護シートを剥がすと、その下からはピカピカのボディが! ここに付属のマーキングステッカーを貼り付けていくが、念のため、作業前に「プレペイントクリーナー(ポリカーボネート用)」でボディ表面をキレイに拭いておこう。
ステッカーは1枚ずつシートから切り出して貼っていくが、このとき透明の余白部分をできるだけ残さないようにするのがキレイに仕上げるコツ。大きなステッカーはマスキングシートを貼ったときと同じ要領で、台紙の一部のみを切り取り、ボディの上を滑らせながら位置決めをして貼っていくとうまくいく。また、小さいステッカーを貼るときはピンセットを使うと便利だ。
今回は付属のステッカーに加え、ルーフとボンネットにカッティングシートを使ったストライプを追加。またル・ボラン・ブーストのロゴステッカーも自作し、ボディ各所に配置した。ちなみにルーフに貼ってあるマスキングテープは、ストライプを貼る際のガイドとして使ったものだ。
ミラーの塗装と組み立て
別パーツで構成されるミラーの制作も、ボディの塗装作業と平行して行っていこう。ボディ本体同様「プレペイントクリーナー(ポリカーボネート用)」で洗浄後、スプレー塗料で塗装していくが、こちらは素材が一般的なプラスチックなので、塗装にはタミヤのプラモデル用のスプレー(品番の頭が「TS-」のもの)を使用する。また、塗装時に手が汚れないよう、写真ような持ち手(今回は100円ショップで買ってきた竹串を使用)をマスキングテープでパーツに取り付けておく。
今回は実車のスポーツパッケージ風にレッドとブラックの2色に塗り分けてみた。スプレーはプラモデル用だが、それ以外はボディ本体を塗ったときと同様、少しずつ数回に分けて塗装していくのがキレイに仕上げるコツ。塗料を乾燥させる際は、持ち手を写真ように発泡スチロールのブロックなどに突き刺しておくと便利だ。
乾燥後、あらかじめステッカーを貼っておいたミラー部分のパーツを取り付ければ、ミラーの完成だ。
ボディ各所に穴あけ加工
続いてシャーシに取り付けるための6mmの穴と、ミラーを取り付けるための4mmの穴を、ドリルやリーマーを使ってボディに開けていく。写真のようなリーマーを使う場合は、穴を拡げすぎないよう、少しずつサイズを確認しながら作業を進めよう。
穴開け加工が完了したら3mmOリングとスナップピンでミラーを固定。ボディの余白部分で作ったナンバープレートを両面テープで貼り付ければ、ついにボディの完成だ!
ボディをシャーシに取り付ける
完成したボディを早速シャーシへとフィッティング。だいたいの目安でシャーシ前後のボディマウントにスナップピンを取り付け、ボディをかぶせてみる。ボディの位置が低いようならボディマウントのスナップピンを少しずつ上げ、反対に高いようならスナップピンを少しずつ下げて、前後それぞれにベストなポジションを見つけよう。ボディの取り付け位置が決まったら、その内部に収まるよう短めにカットしたアンテナパイプをアンテナホルダーに取り付け、アンテナ線が落ちてこないよう、先端にアンテナキャップを取り付けておく。
ちなみにボディマウントのパーツは様々なボディに対応できるようやや長めに設定されている。ボディから飛び出した部分はカットするのが基本だが、見た目には平気でも走行時にボディがロールして引きずるという可能性もあるため、ボディマウントのカットは実際に走らせてからにすることにした。
かくして完成した「M-07 CONCEPT ル・ボラン・ブースト号」! 果たしてその走りはいかに?
★次回はタミヤ掛川サーキットで開催された、メディアミーティングの模様をお送りします!
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